ハリケーン被害のレイズ 来季はヤンキースキャンプ地が本拠 周辺地域最大規模の1万1026人収容
大リーグ公式サイトは14日(日本時間15日)、本拠トロピカーナ・フィールド(フロリダ州セントピーターズバーグ)がハリケーン被害を受けたレイズが来季の本拠としてヤンキースのキャンプ地スタインブレナー・フィールド(フロリダ州タンパ)を使用することが決まったと報じた。 【写真あり】ハリケーンで全損したトロピカーナ・フィールドの屋根 トロピカーナ・フィールドはハリケーンの影響で屋根が全損。建物を所有するセントピーターズバーグ市が12日に修理費用は約5570万ドル(約86億3000万円)となり、復旧は26年になるとの報告書を発表していた。レイズは28年の開場を目指し、総工費13億ドル(約2013億円)で新球場の建設を計画。同市はハリケーン被害に対する損害と修理に対する保険金請求権を持っているが、総費用の一部にすぎないとみられており、トロピカーナ・フィールドを修理せずに新球場完成を待つ選択肢もあった。 レイズのスチュアート・スターンバーグ・オーナーは球団を通じて声明を発表。「ヤンキースが親切にも2025シーズンにスタインブレナー・フィールドでプレーする許可をしてくれたことに深く感謝しています。トロピカナ・フィールドへのハリケーンの被害により、私たちは非常な手段を講じなければならない状況に追い込まれました。まさにハリケーンヘレンとミルトンが私たちのコミュニティの数千の家族や企業に新たな状況への適応を強いており、私たちは皆が回復し再建する中で同様の努力をしています」と感謝の言葉を述べた。 また、ヤンキースのハル・スタインブレナー・オーナーも声明を発表。「私たちは、レイズとそのファンに対して、今シーズン彼らが利用できるメジャーリーグクオリティの施設を提供することで手を差し伸べることができてうれしいです。ヤンキースの組織と私の家族は、タンパベイ地域に深いルーツを持っており、レイズの選手、従業員、ファンにとって、トロピカナフィールドから30分以内で2025年のホームゲームが開催されることがどれだけ意味を持つか理解しています。このような時には、ライバル関係や競争は地域のために正しいことをすることに後退し、ヘレンとミルトンというハリケーンによる被害から家族や企業が回復するのを手助けすることが重要です」とした。 大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーも「ハリケーンによって引き起こされた重大な課題を考慮して、レイズが来シーズンに最善の決定をするために両チーム間で行われた熱心な取り組みと協力に感謝しています。この結果は、メジャーリーグベースボールの目標を満たしており、レイズのファンが来シーズンに自分たちのホームマーケットでチームの試合を観戦し、選手たちが家族に支障を与えることなく自宅にとどまることができることを意味しています」との声明を発表した。 1996年開場のスタインブレナー・フィールドは1万1026人収容で周辺地域では最大規模のスタジアム。2016年オフにはヤンキースタジアムと同形状に改修された。トロピカーナ・フィールドからスタインブレナー・フィールドは車で約45分の距離で、レイズの選手や球団関係者の移動の負担が軽減されるメリットもある。