遊覧ヘリ不時着で3人負傷 上空でエンジン停止 熊本・阿蘇
13日正午過ぎ、熊本県阿蘇市の観光施設「阿蘇カドリー・ドミニオン」内を発着する遊覧ヘリコプターの運航関係者から「上空でエンジンが停止して不時着した」と119番があった。同県警阿蘇署などによると、ヘリは同市黒川の空き地に不時着。男性パイロット(57)と乗客の男女2人の計3人が胸の骨を折るなどいずれも重傷を負った。国土交通省は航空事故に認定し、航空事故調査官3人を指名した。 【写真】空き地に不時着した遊覧ヘリコプター 国交省鹿児島空港事務所によると、ヘリは「匠(たくみ)航空」(岡山市)が運航する「ロビンソンR44」(定員4人)。また、匠航空から委託を受け営業などを担当する「ジェットヘリサービス」(熊本県阿蘇市)は、ヘリが阿蘇中岳火口などを巡る約7分間のコースを遊覧中だったと説明。乗客の男性(32)と女性(33)は香港からの観光客だった。 現場付近で取材に応じた同社の菊地耕一取締役(67)によると、火口を見学後にカドリー・ドミニオン内のヘリポートに戻る途中、後部から「ボン」という音がしたためパイロットが不時着態勢に入ったという。匠航空は「あってはならないこと。お客様には大変申し訳ない」とコメントした。 不時着した空き地に隣接する特別養護老人ホーム「阿蘇みやま荘」の女性職員は「午前11時半ごろに利用者を食堂に案内している時、いつもより遊覧ヘリの音がうるさいなと気付いた。まさか不時着とは思わなかった。なによりホーム利用者の方に被害がなくて良かった」と話した。【野呂賢治、中村敦茂、森永亨】