受け入れ体制など報告 ロケット2号機打ち上げに向け、和歌山・串本で協議会
スペースポート紀伊周辺地域協議会(会長=下宏副知事)は12日、和歌山県串本町サンゴ台の町役場で臨時総会を開き、12月に予定されている民間小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げに向けた対応方針を協議した。駐停車禁止の範囲拡大や見学場での露店数の拡充、警戒区域の周知など、前回からの改善点について事務局から報告があった。 【【詳報】ロケット打ち上げ、12月に再挑戦へ 和歌山県串本の発射場の動画はこちら】 総会では、スペースワン(東京都)の阿部耕三執行役員が、打ち上げ5秒後に爆発した初号機の原因と2号機に向けた対策について説明し「12月中の打ち上げを目指して準備している。具体的には打ち上げの2カ月前、10月のどこかで公表できるようにしたい」と報告した。 また、2号機の打ち上げに向け協議会としての対応方針について、事務局の県成長産業推進課の職員が前回の体制を維持しつつ、いくつかの改善策を実施すると説明。 田原海水浴場(串本町)と旧浦神小学校(那智勝浦町)の見学場では、露店販売の出店数が前回の24から約40に拡充する。トイレの数も倍増させ、洋式トイレも設置する。一方で、見学場でのステージイベントを取りやめる。打ち上げの様子を放映する大型モニターのサイズはコスト面から小さくなるという。 ■駐停車禁止の範囲拡大 交通渋滞対策については、駐停車禁止の範囲を拡大。前回は見学場の前後1キロを駐停車禁止、その先2キロは駐車禁止としていたが、前回の打ち上げでより注目度が高まっているとして、見学場の前後3キロを駐停車禁止にする。 初号機は当初、3月9日に打ち上げる予定だったが、警戒区域内に船舶が残っていたことで延期を余儀なくされた。これを受け、安全対策のため陸や海、空でスペースワンが設定する警戒区域について、県や串本、那智勝浦両町や関係機関が幅広く周知していくことが報告された。カイロス打ち上げ応援サイトや、自治体のホームページ、SNSなどで発信する。 また、総会に参加した旅行大手JTBの担当者が、初号機打ち上げ時のツアー実績を報告。1泊2日や半夜行、日帰りツアーが14コース販売され、申し込みは計717人だったという。2号機の打ち上げでは、2泊3日のツアーを新たに企画するなど、より地域で滞在してもらえる旅行商品の造成を計画していると明らかにした。 下副知事は「10月中には具体的な日時を発表していただけるということだが、準備もあるのでできるだけ早い時期に、しかも12月の早い時期に打ち上げをしていただけるように申し入れたい」と話した。 協議会は下副知事のほか、副会長を務める串本町と那智勝浦町の両町長、新宮警察署長、両町消防本部消防長、観光関係者ら20人で構成。ロケット打ち上げによる周辺地域の活性化などを目的に活動している。
紀伊民報