フリーランスは積極的に権利主張を…新法控え福井でセミナー 弁護士が指摘「契約の趣旨に沿わないことは断っていい」
フリーランスで働く人を保護する新法の理解を深めるセミナーが10月7日、福井県福井市の福井商工会議所ビルで開かれた。11月1日の施行を前に、弁護士らが発注事業者側の法令順守とフリーランスの積極的な権利の主張を呼びかけた。 セミナーは福井商工会議所が主催。発注事業者やフリーランスの事業者ら65人がオンラインを含め聴講した。 新法は、事業者がフリーランスへ業務委託する際、書面などによる取引条件の明示や60日以内の支払期日を義務付けている。はじめに公正取引委員会の担当者が、正当な理由なく発注事業者による報酬の減額や返品は禁止されていると説明。またフリーランスが業務と育児、介護を両立できるよう配慮しなければいけないことなどを解説した。 高志法律事務所(福井市)の後藤正邦弁護士(50)は、これまで契約打ち切りの恐れなどからフリーランスは弱い立場にあったと指摘。フリーランス事業者に対し「契約の趣旨に沿わないことは断っていい。自分のためにも他のフリーランスのためにもしっかりと価格などの主張をしてほしい」と強調した。 また、業界の慣習などから契約書を交わさずに支払いが先延ばしされたり、業務以外の仕事を強いられたりしたケースを紹介。「支払期日を示すことが今回法律で明記されたが、今までされていなかったことが異常だ」とし、両者にとってメリットのある取引を心がけるよう呼びかけた。
福井新聞社