バイナンス、富裕層向けに「バイナンス・ウェルス」を発表
取引量で世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は、バイナンス・ウェルス(Binance Wealth)を発表した。これは、選任のクライアント・マネージャーが付くことで富裕層を受け入れやすくし、幅広いデジタル資産を提供できる高級志向のサービスだ。 バイナンスは29日、ウェルス・マネージャーが各顧客のために本人確認(KYC)書類を提出してバイナンスで個別のサブアカウントを作成することで顧客の受け入れに対応し、伝統的なウェルス・マネジメントの枠組みの感覚で幅広い暗号資産の取引やステーキングを可能にすると説明した。バイナンスVIPの重要アカウント担当クライアントマネージャーからのサポートも利用できる。 今年ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のETF(上場投資信託)が登場したことで、暗号資産は機関投資家の間でポートフォリオ分散の「スパイス」として広く受け入れられており、これによって富裕層の間でこの資産クラスがさらに受け入れられたと思われる。 初見の印象とは裏腹に、バイナンス・ウェルスは金融助言サービスではなく、ウェルス・マネージャーのニーズに応えるために設計された技術的ソリューションであり、必要なインフラを提供してウェルス・マネージャーの顧客の暗号資産へのエクスポージャーを監督・サポートできるようにするものだ。バイナンスVIP&機関(Binance VIP & Institutional)の責任者であるキャサリン・チェン(Catherine Chen)氏がメールで説明した。 このサービスはグローバルに展開するBinance.comプラットフォームを通じて提供されるため、一部の管轄区域では制限がある。例えば、アメリカでは利用できない。バイナンスの広報担当者によると、当初はアジアとラテンアメリカに重点を置くという。 チェン氏は、「ウェルス・マネージャーは、Binance.comの利用資格がある顧客(Binance.comが利用できる管轄区域に居住している顧客)の受け入れとサポートを行うことができる」とした上で、「もちろん、まずはウェルス・マネージャーが各自のライセンス/免除に基づいてサービスを提供できるかどうかが条件となる」と述べた。 カストディの観点では、各エンドクライアントに属する資産は、クライアント自身の割り当てられたサブアカウントで保管される。 バイナンスの広報担当者は、「クライアントは、バイナンスプラットフォーム上の自身のアカウント下の各ウォレットに保管されている資産の完全な管理権を保持する。ユーザーの資産は当社の準備金証明ページで確認できる」と述べた。 このVIPウェルスサービスは、企業向けに設計されたバイナンスのプライムブローカーサービスであるリンク(Link)のような低い手数料設定ではない。 チェン氏は、「標準的な取引手数料が適用される。バイナンスは非常に競争力のある手数料体系を提供しており、VIPプログラムの資格を持つユーザーは魅力的な手数料リベートを受け取る」と説明した。 |翻訳・編集:林理南|画像:Danny Nelson/CoinDesk|原文:Binance Unveils 'Binance Wealth' for Elite Customers
CoinDesk Japan 編集部