ISSから帰還 宇宙飛行士の油井亀美也さんがトークイベント(全文1)
宇宙が非常に快適で、帰ってきたくないと思ってた
樋江井:毛利館長、ありがとうございました。さて、続きのお話をお伺いしたいんですけれども。宇宙に行ってたのはいつでしたっけ。 油井:昨年の7月23日から12月の11日まで、142日間になります。 樋江井:142日間行ってて、で、12月11日に帰ってきたと。 油井:そうですね。 樋江井:帰ってきて、率直な感想はいかがですか。 油井:やっぱり宇宙にいるときは、宇宙が非常に快適で、帰ってきたくないと思ってたんですけれども、やっぱり地球に帰ってくると、地球はいいなと思いましたね。 樋江井:こんなにたくさんの笑顔もありますからね。 油井:そうですね、本当に。日本の皆さま方には、ツイッターでもたくさんメッセージいただいてましたし、応援していただいたのを知ってますので、本当に会って、直接会って、お礼を言いたかったので、今日はこういう機会が持てて本当に幸せです、どうもありがとうございます、わざわざ来ていただいて。 樋江井:いやあ、こんだけたくさんの笑顔が見れるのはうれしいですね。個人的に気になるのが、油井さん、帰ってきたのが12月11日で、結構時間開いてません? 油井:そうですね。実はいろいろやることがあって、なかなか日本に帰ってこれなかったんですけれども。例えば宇宙に行って、無重力環境にいると、重力のことを体はもう忘れちゃってるんですね、頭も。そういうこともあって、リハビリテーションって言ってるんですけれども、地球のこの重力がある環境に慣れるための、体を元に鍛えたりする期間が45日間ほどありましたね。 私はでも、45日間使わずに、2週間ぐらいでもうほぼ元に戻ってしまいましたけれども、あとは、私の体も宇宙に行った貴重な体ですので、実験、みんながデータが欲しいということで、実はある朝、じゃあ採血をしますというふうなことで採血所に行くと、採血管ってちちゃい試験管みたいなのが30個ぐらいばーって並んでるんですよね。で、片方の手だと血が抜けなくなってくるんで、手を交代してまた抜くというようなことをして。そういうデータを取ったりしてまして、それが落ち着いたので今回、帰ってまいりました。 樋江井:なるほど、ありがとうございます。では早速なんですけれども、5カ月間ちょっと、どんなことをやってたか、私気になりますし、会場の皆さんもおそらく気になってますよね。それの報告をしていただいてもよろしいでしょうか。 油井:分かりました。もうこれが私の最大の皆さんのお土産ですので、しっかりじゃあ聞いていただいて。質問があれば後ほど質問を聞く機会もありますので、ぜひ聞いて、よく質問も考えてみてください。 樋江井:あとで質問の。 油井:私が宇宙ステーションに行って、ここにある写真、一番うれしかった瞬間かもしれませんね。実はこうのとりくん。 樋江井:時間をたっぷりつくってるので、そのとき聞いてみてください。ではお願いします。 油井:はい。すいません、じゃあ座って、ちょっと失礼いたします。 HTV5が到着して、フルーツを届けてくれたんですよね。そのときの写真です。もう私の顔からうれしさがもうこみ上げてきてるような感じですけど。今も実はこのぐらいうれしいです(笑)。 樋江井:フルーツですか。 油井:非常においしかったですね。愛媛県の産地のオレンジなんかが入っていて、とってもおいしかったですね。やっぱり新鮮なフルーツはなかなかないので、そういった意味でも。まあ、私で独占したわけじゃなくて、実はアメリカの飛行士やロシアの飛行士にも分けて、みんなで本当に喜んでましたね。