黙って魅せる選手から、誰が相手でも黙っていない選手へ。マリーゴールド移籍で青野未来が変わった!「もっと熱く、ギラギラに輝きたい」
安定感のある勝利だった。女子プロレス団体マリーゴールドの8.19後楽園ホール大会。“純白のベルト”ユナイテッド・ナショナル(UN)王座戦だ。 【画像】マリーゴールド青野未来を厳選フォトで大特集! 7月の両国国技館大会で初代王者となった青野未来の初防衛戦。チャレンジャーは天麗皇希だった。青野と同じアクトレスガールズからの移籍組だ。 アクトレスガールズは2022年からプロレス団体としての活動をやめ、プロレスの技術とフォーマットを用いたエンターテインメント・パフォーマンス「アクトレスリング」と演劇「アクトリング」の公演を行なっている。 青野たちは、その路線に飽き足らずマリーゴールド合流を選択。皇希は旗揚げ戦がプロレス正式デビューとなった。そしてそこから負けなしの快進撃。華のあるビジュアルを含め、あっという間にプロレスファンに認知された。 青野もプロレス“復帰”を果たすと、アクトレスガールズのエースとして培った実力を開花させた。前団体からの先輩・後輩である両者のタイトルマッチは、いわば必然。アクトレスリングの初代王者決定戦でも、2人は対戦している(青野が勝利)。皇希にとって青野は越えるべき壁だ。青野から見れば、皇希はいずれ必ず自分に挑んでくる存在だったということになる。 以前と大きく変わったのは、青野の言葉、態度だ。アクトレスガールズではプロレス活動停止とともに選手が大量離脱。青野は自動的にトップに押し上げられた形だった。本当なら先輩たちと闘い、多くのものを吸収したかったのだが、周りを引っ張らなければいけなくなった。 そんな状況で悩んできたからこそ、青野は力をつけた。口数は多くない。自ら主張することも少なく、それを他の選手から批判されたこともある。 「前の団体では“みんなで頑張って団体を盛り上げよう”という感覚でした。でも今は違いますね。エースの座は自分で掴みにいかなきゃいけない」 ベルトを巻いたとはいえ、頂点のワールド王座はフリーのSareeeが獲得した。大ベテランの“人間国宝”高橋奈七永がいて、スターダムで女子プロレス大賞を受賞した林下詩美もいる。まだまだ勝たなくてはいけない相手がいるし、そのためには主張することも必要だ。そう自覚することで、選手としての“視点”も変わった。 タイトルマッチ調印式では、皇希に対し「前の団体から何か変わった?」と挑発、さらに「(変わる)スイッチを私が入れます」と語った。 試合では無敗の勢いのまま顔面蹴りを連発する挑戦者に懐の深さを見せる。得意の蹴りに加えサブミッション、場外戦も。皇希のポテンシャルを引き出した上で、最後は倒れた皇希のボディを蹴り上げ、バズソーキックを叩き込んでからのスタイルズクラッシュ。アクトレスガールズ時代よりも差を広げるような勝ちっぷりだ。
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