40歳代女性「ボーナスがいつもより多かったので一括運用を検討しています」に元銀行員が忠告
多くの人が楽しみにしている冬のボーナス。 賃上げを実施した企業や業績が好調な企業では、「去年よりもボーナスが増えた」という人も多いかもしれません。 【図表1】みんなのボーナスはいくら?40歳代の平均は112万円に ボーナスを受け取ったら考えたいのが使い道についてです。最近では資産運用への意識が高まっていることから、「一括で運用してみたい」と考えている人もいるでしょう。 本記事では、ボーナスを一括投資する際の注意点について、元銀行員の筆者が解説していきます。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
40~50歳代は年間ボーナスが100万円超
dodaの「ボーナス平均支給額調査(2023年版)」によると、年代別の年間ボーナス平均支給額は【図表1】の通りです。 40歳代では年間ボーナスの平均支給額が112万円となっており、100万円を超える結果となっています。 50歳代は前回調査より3万3000円増加の約130万円で、他の年代のなかで最も大きい増加幅となりました。 2023年は賃上げを実施した企業が多かったことから、ボーナスの支給額にも影響を与えているのかもしれません。
ボーナスを一括投資するときの注意点
近年の資産運用への意識の高まりを受けて、「ボーナスで資産運用を始めてみようかな」と考えている人も多いでしょう。 せっかくのボーナスですから、「将来のために役立てたい」と思うのは当然のことともいえます。 しかし、ボーナスをまとめて一括投資する際は、いくつか注意したいポイントがあります。それぞれくわしく確認していきましょう。 ●一括投資は高値掴みのリスクが高くなる 1回のタイミングでまとめて買い付ける一括投資は、「高値掴み」のリスクが高まってしまいます。 高値掴みとは、相場が高値圏のところで購入し、その後価格が下落してしまうことです。 一括投資では、購入したときの水準がその後の損益に影響するため、よくマーケットを注視しながらタイミングを計らう必要があります。 そのため、「ボーナスが出たから試しに株を買ってみよう」という気持ちで値動きを見ずに購入すると、結果として高値掴みにつながってしまうこともあるかもしれません。 ●積立投資でリスクを低減する 一括投資で高値掴みのリスクを低減するためには、積立投資が有効です。積立投資とは、株式や投資信託を毎月決まった金額ずつ買い付けていく方法です。 積立投資ではコツコツと同じペースで買付を続けていくことで、高値掴みをしてしまうリスクを低減することができます。 これは「ドルコスト平均法」と呼ばれる立派な投資手法のひとつです。 たとえば、「ボーナスで一括投資した後、同じ銘柄を積立投資で購入していく」、「一括投資ではなく、複数回に分けて購入する」など、積立投資を活用しながら買い付けることを検討してみるとよいでしょう。 ●使う予定があるお金は運用に回さない 資産運用の基本は「長期投資」であり、金融商品を購入する際は当面使う予定のない資金で取り組む必要があります。 もし使う予定のあるお金まで資産運用に回してしまうと、実際に資金が必要になったときに、値動きによっては元本が割れていることも考えられます。 ボーナスを一括投資に回すときは、「生活費や支払いなどで使う予定のあるお金」と「当面使う予定のないお金」をしっかりと区別し、使う予定のあるお金はきちんと預貯金に確保しておくことを意識しましょう。