「日本の取り込み」強化する中国、岩屋外相を持ち上げ「経験豊かな政治家に称賛の意」…石破政権は「対中穏健派」
【北京=東慶一郎】中国の王毅(ワンイー)外相(共産党政治局員)は25日の会談で、岩屋外相を「日本の経験豊かな政治家として、一貫して中日関係を重視していることに称賛の意を表したい」と持ち上げた。習近平(シージンピン)政権は、「歴史問題で摩擦を起こす可能性が低い」(中国政府関係者)石破政権を「対中穏健派」とみており、王氏の訪日などで今後も日本の取り込みを強める構えだ。 【表】一目でわかる…中国共産党の権威「巨大化」
来年は戦後80年の節目にあたり、中国側は国内の反日感情が高まることに敏感になっている。王氏も外相会談後のハイレベル人的・文化交流対話の席上でその点に言及し、「歴史を直視」するよう訴えた。
対中強硬姿勢を鮮明にするトランプ次期米政権に対抗する上でも、中国は自由貿易やサプライチェーン(供給網)の保護といった分野で日本と利害関係が一致するとみている。中国は11月の米大統領選前から、日中間の懸案を巡って態度を軟化させ、日本への接近姿勢を強めてきた。
一方で、台湾を巡る問題では一歩も譲らない考えに変わりはない。東シナ海や南シナ海での軍備増強も継続する方針で、安全保障上の摩擦は今後も絶えそうにないのが現状だ。