「ごちそうさん」源ちゃん、「ゆず」が俳優の道に導いてくれた!
NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」、TBS系ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」など話題作に次々と出演し、注目を集めている俳優・和田正人さん(35)。10月には、主演舞台「「駆けぬける風のように」(東京・サンシャイン劇場9~19日、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ同24~26日、愛知・名鉄ホール同31~11月1日)も上演されます。日本大学時代は陸上部主将を務め、箱根駅伝でも活躍。大学卒業後、所属していた実業団が廃部となり、24歳で芸能界を志しました。陸上の世界とはまったく異なる俳優の道。デコボコだらけの人生の“コース”を走り続ける原動力となったのは、音楽デュオ「ゆず」との出会いだったと言います。 学生時代は陸上以外のことなんて考えたこともなかったんです。陸上で活躍し、ゆくゆくは日の丸を背負える選手になる。自分のビジョン、行き着くところはそこがマックスで、そこでイマジネーションは終了(笑)。それくらい、陸上に没頭していました。大学で箱根駅伝にも出て、選手として実業団(NEC)にも入りました。ただ、とてもケガの多い選手だったんです。社会人になると、走ることが仕事になる。ということは、走れなくなったら、仕事がなくなる。もしそうなったら、どうしたらいいのか…。この頃になると、さすがに“その先”を考えるようになりました。 教職も取っていたので地元の高知で先生になる、または、そのまま社員として会社に残る…。いろいろ考える中の1つとして、芸能界というのもあるにはあったんです。というのも、学生時代はずっと田舎で暮らしてまして、芸能界なんて夢のまた夢だった。それが、陸上で東京に出てきたら、有名人のコンサートもすぐ近くでやってるし、ドラマ撮影も街でやってる。「あ、ホンマにこんな世界、実在したんや」という感動があって、俳優さんとか、そんな仕事ができたら楽しいやろうなと漠然と思っていたんです。 ま、ただ、もちろんそんなに甘いものじゃないと心にフタをしてたんですけど、そんな中、陸上部の監督から選手たちに発表があったんです。「陸上部が廃部になります」と。寮の会議室で発表されて、みんなが泣き崩れる中、自分だけは「これはチャンスかもしれない」という考えが出てきたんです。青春時代に恋人も作らず、合コンもせず、ひたすら走って、門限は夜9時半の寮で暮らして。それやのに、順調に選手生命をまっとうしても35歳くらいまでしか道がない。「この切ない感じは何なんだ」「しんどかったけど、ずっと刺激的な日々を過ごしてきて、この先もずっと『プレイヤー』として走り続けられる方法はないのか」といった気持ちと、芸能界への思いが自分の中で渦巻いて、フタをしていた気持ちがもう1回、出てきたんです。