「ごちそうさん」源ちゃん、「ゆず」が俳優の道に導いてくれた!
ただ、俳優を目指すと言っても、何をどう頑張っていいのか、これがなかなか分からない。今までやってきた陸上には、必ずゴールがあったんですよね。そこに着くのが早いか遅いかだけで「はい、ここがゴールです」というのが明確に示されていた。でも、芸能界って、すべてにおいて、そんなんじゃないんですよね。 そこから「自分は何のために俳優になりたいのか」ということを延々考え続ける流れに入っていきまして、悶々とした日々を過ごしていたんです。そんな中、たまたまある曲に出合ったんです。それが「ゆず」さんの『またあえる日まで』という曲。PVを見たんですけど、ちびっ子のサマーキャンプみたいなところに「ゆず」のお二人が参加していて、子どもたちと一緒に曲を作るみたいな内容やったんです。僕にとって、何が衝撃的だったのか。それはそこに映っているちびっ子たちの顔がとにかく輝いていたんです。悶々としていた僕にとっては、まぶしくて、まぶしくて…。 「人をこんな顔にさせるようなことができたら、ホンマに素敵やな…」と心から思った瞬間、ハッとしたんです。「…これや!!」と。おこがましい話ですけど、皆さんにこんな顔になってもらいたい。じゃ、そのために自分は何を頑張ればいいのか。やっとゴールが見えて、ある意味、陸上時代と同じ感覚になれたんです。そんな感覚を持ちだした2004年、あるオーディションに行ったんです。最終審査の1分間の自己PRタイム。みんなカッコいいダンスをやったり、歌ったりするんですけど、陸上しかしてこなかった僕はそんなことはできない。できることは小手先のことではなく、何のために俳優をやりたいのかということをお伝えすることだと思って『またあえる日まで』をタンバリンを持って、力いっぱい歌ったんです。結果、特別賞をもらって合格したそのオーディションが、今も所属するユニット「D-BOYS」のオーディションやったんです。 今年で芸能活動10年。節目に向けて受けたオーディションで合格できたのが「ごちそうさん」でした。このこと自体、もちろん、うれしいことなんですけど、それに加え、主題歌を担当しているのが「ゆず」さんだったんです。ここで交わるかと…。「ゆず」さんの曲に救われ、節目で大きな仕事にたどり着いたら、そこで待っていたのも「ゆず」さん。とても一言では言えないご縁を感じました。 このご縁にはさらに続きがありまして、大阪でNHKの「あほやねん!すきやねん!」という番組にゲストとして出演させてもらう機会があったんですけど、そこで自分にとっての思い出の品ということで「ゆず」さんのCDを紹介してたんです。今みたいな話をしながら。すると、スタジオ観覧の皆さんから「ギャー!!」という叫び声が上がったんです。「なんや!?」と思って後ろを振り返ったら「ゆず」のお二人がスタジオに入ってきたんです。