もふもふに癒やされる! 突然猫になった社畜がブラック企業をホワイト化していくコメディマンガ『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話』【書評】
モフ田が猫としてではなく社会人として生きる一方、“猫ならでは”の問題が起こるのも面白い。大量の抜け毛による掃除回数の増加やプレゼン中にレーザーポインターを追ってしまうなど、猫だからこその問題が発生するのだ。そうしたファンタジーとリアルが織り交ざった設定も、本作の魅力のひとつといえる。 猫になったことでたくさんの恩恵があったのに、動物の治療費が高すぎる現実に直面し「人間に戻りたい」と思うモフ田。保険適用外の病院代が自己負担なら、きっと自分が猫になっても同じことを思うだろうなと感情移入してしまう。
本作に登場する、ブラック企業社員から猫になった猫はモフ田だけではない。別のブラック企業で働いていたスコさんも、突然大きく真っ黒な瞳をした猫(スコティッシュフォールド)になっていた。スコさんが他社から出向してきたことでもふもふが2倍になった会社では、さまざまな企画がますます盛り上がっていき――。
『ブラック企業の社員が猫になって人生が変わった話』シリーズでは、6巻の時点でモフ田を含め5人(匹?)の猫たちがもふもふの物語を繰り広げていく。ハリウッドデビューやアニメ化などさまざまな形で活躍しながら、“猫生”を歩んでいくストーリーから目が離せなくなるだろう。
もふもふたちが最高にかわいい物語は、さまざまな猫の視点でこれからも続いていく。たくさんのもふもふにキュンとして癒やされながら、モフ田たちの“猫生”を見守ってもらいたい。 文=ネゴト/ 押入れの人