【秋華賞】オークス馬チェルヴィニアはWコースで3頭併せ馬なり併入 ぶっつけ2冠に向けギアチェンジ 木村師「実戦に近いイメージ」
秋華賞の追い切りが9日、東西のトレセンで行われた。オークス優勝以来のチェルヴィニアは、美浦Wコースで渋った馬場も苦にせず上々の伸び脚を披露。中間は1マイルからの意欲的な追い切りも敢行し、きっちり態勢を整えた。 ◇ 2冠を狙える高みにたどり着いた。オークスV以来のぶっつけ戴冠へ、チェルヴィニアが陣営納得の好スパーリングで総仕上げを終えた。 降りしきる雨でしっかりと水分を含んだ美浦Wコース。3頭併せの2番手でぴたりと折り合っていたのんびりムードが、直線で一変した。内セブンマイスター、外ティファニードンナ(ともに1勝)の真ん中に並びかけたところで、自らギアチェンジ。手綱が動く両サイドとは対照的に、馬なりでラスト1ハロン11秒7(6ハロン83秒6)と伸びて併入した。 「競馬を控えているので実戦に近いイメージで、折り合いやゴールに向けて頑張る意識を確認しました。順調にきているというか、トラブルなく過ごせていると思います」 見届けた木村調教師が穏やかにうなずく。「フットワークの質がとても高く、見ていてほれぼれする」と絶賛する資質が、春2冠目で開花。しかし、当時の状態には決して納得していないという。「オークスに向かう中でも健康状態が本当に良かったのか、私自身がいい仕事ができたのかといわれると、正直そうではなかった。レース後も2カ月ほど疲れが尾を引いた」と振り返る。 同じ関西圏のレースだった桜花賞(13着)時は栗東に滞在したが、今回は〝ホーム〟の美浦で調整。指揮官は「端的に桜花賞で結果が出なかったので、改めなければいけない。前回の栗東で環境の変化に戸惑ったなかで調教メニューの組み立てに腐心した。今回はトータル的に考えて」と説明。長め1マイルからの追い切りを2週連続で取り入れ、樫をも上回る走りを引き出す構えだ。 「オークスは素晴らしい競馬をしてくれた。2000メートルの内回りはちょっとトリッキーだが、チェルヴィニアはいいポジションを取れるし、乗りやすい馬。右回りも関係ないと思います。勝てる自信は持てるね」とルメール騎手も2018年アーモンドアイ以来の秋華賞取りへ自信満々。2強から1強へ、女の戦いの結論がもうすぐ出る。(内海裕介)