尊富士（2024年9月21日撮影）

　日本相撲協会は28日、大相撲九州場所（11月10日初日、福岡国際センター）の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。 【イラスト】24年九州場所新番付（幕内・十両） 　平幕最上位の前頭筆頭は、東が自己最高位の王鵬（24＝大嶽）で待望の新三役は目前だ。西は今年、飛躍の活躍を見せている平戸海（24＝境川）。小結から陥落したが、三役復帰の力は十分にある。東の2枚目には、幕内優勝経験のある若隆景（29＝荒汐）。再入幕から11勝4敗、12勝3敗と連続2ケタ勝利を収め、先場所は優勝した大の里を破り殊勲賞を獲得。「元大関候補」が満を持して一年納めの場所に臨む。 　うれしい新入幕を果たしたのは2人。東前頭16枚目の獅司（27＝雷）は、雷部屋からは現師匠（元小結垣添）が入間川部屋を継承してからは初めての幕内力士誕生。ウクライナ出身では初めてとなった。東前頭17枚目の朝紅龍（26＝高砂）は、現師匠（元関脇朝赤龍）が部屋を継承後では初めての幕内力士誕生（高砂部屋としては17年秋場所の朝乃山以来）。大阪府出身では昨年名古屋場所の豪ノ山以来、戦後23人目で日体大からは先場所の阿武剋、白熊以来12人目の幕内力士輩出となった。千代翔馬（33＝九重）は2場所ぶり、時疾風（28＝時津風）と尊富士（25＝伊勢ケ浜）はともに3場所ぶりの幕内復帰となった。今年春場所で110年ぶりの新入幕優勝という快挙を成し遂げた尊富士が、再び旋風を巻き起こせるか注目だ。 　既に発表されている十両昇進力士は6人で、関取の座を初めてつかんだ新十両は3人だ。 　東十両11枚目の安青錦（20＝安治川）は、安治川部屋からは現師匠（元関脇安美錦）が部屋を創設以降、初めての関取誕生。ウクライナ出身では昨年名古屋場所の獅司以来、2人目。初土俵から所要7場所は旭富士、宇良と並ぶ5位のスピード昇進となった。 　東十両13枚目の若碇（19＝伊勢ノ海）は、伊勢ノ海部屋からは15年夏場所の錦木以来で、京都府出身では22年名古屋場所の千代栄以来、戦後6人目の関取輩出。父は元前頭大碇で、新たな親子関取誕生は、先場所の木竜皇親子に続き、史上13組目となった。 　西十両13枚目の琴手計改め琴栄峰（21＝佐渡ケ嶽）は、佐渡ケ嶽部屋からは22年初場所の琴裕将以来の新十両で、千葉県出身では先場所の木竜皇以来、戦後31人目の関取誕生。兄は前頭琴勝峰で、新たな兄弟関取誕生は19年名古屋場所の美ノ海、木崎海以来、史上22組目となった。 　なお、新十両3人が、いずれも22歳未満で、これは04年夏場所（琴欧州、萩原、豊ノ島）以来のフレッシュな顔ぶれとなった。 　再十両は3人で、千代丸（33＝九重）は3場所ぶり、栃大海（25＝春日野）と生田目（22＝二子山）は、ともに2場所ぶりの十両復帰となった。なお十両昇進が6人以上いるのは、18年春場所（7人）以来のこととなった。 　また、膝を手術し先場所は全休した大関経験者の朝乃山（30＝高砂）は、西十両3枚目から東幕下筆頭に陥落した。 　大相撲九州場所は、11月8日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。10日の初日を迎える。