「体幹と柔軟性を鍛えたい」40代男性が半年間トレーニングで健康寿命+10歳を目指す
chapter02 EBHSについて
今回「健康度合い」を示す指標として「EBHS Life」を使用しました! 「EBHS Life(エビスライフ;以下、「EBHS」と呼びます)」とは「科学的エビデンスに基づいたヘルススコア(Evidence Based Health Score Life:EBHS Life )」のことです。医師の中川悠樹先生に解説していただきます。 編集部: EBHSとは 何ですか? 中川先生: EBHSとは、日本人の健康状態と平均余命の関係に注目し、個人の健康状態を包括的にスコア化した新たな標準健康指標です。複数の検査数値を持つ健康診断データや、ゆらぎの多い生活習慣のデータを、AIを用いて誰でも理解できる単一の数値にしました。 編集部: どのように測定するのですか? 中川先生: EBHSは、健康診断の結果および生活習慣等のアンケートのデータを元に、EBHSアルゴリズムを搭載したAIが、受験者の将来的な疾病リスクや余命を予測します。EBHSアルゴリズムの構築に使われたのは、約5万人分の健康診断/生活習慣データや、3千件以上の寿命予測に関する論文レビューなど、エビデンスの高いデータです。日本人平均のEBHSを100と設定し、平均よりも健康状態が良い場合にはEBHSも高く算出され、健康状態が悪くなるとEBHSも小さくなります。 編集部: 今、EBHSが注目されている理由を教えてください。 中川先生: みなさんが普段見ている健康診断のデータは、専門的で意味がつかみにくい上に、項目が複数あってわかりにくいと思います。健康を皆にとってわかりやすく、利用しやすいものにするために、数ある数値データを1次元にまで減らしました。(専門用語で「次元削減」と呼びます)EBHSは、一目で自分の健康状態がわかるだけでなく、他者と比較することも可能にしました。 自身の健康はもちろん、家族や友人とも一つの数字をもとに話ができるという点が、注目されている理由でしょう。 編集部: EBHSの結果が悪いと、どんなリスクがあるのですか? 中川先生: 大きく分けて2つのリスクがあると考えられます。1つ目は、健診検査値が悪いことによる生活習慣病のリスクです。血糖値や、血圧、脂質など、生活習慣病に深く関わる検査値が悪い場合、EBHSは悪化しやすい傾向があります。しかし、これだけではありません。もうひとつのリスクとして、EBHSでは「生活習慣病や重大疾病を発症した方々」のデータも分析してから、疾病発症リスクの高い生活習慣も学習データに取り込んでおり、このような方と共通する生活習慣のある方のスコアも下がるようにAIが判断します。健康診断の「要注意」といった結果や自覚症状が全くなくても、EBHSの低下が見られたらアラートと考え、生活習慣を見直すことが大事になります。 編集部: ありがとうございました。では、南壽さんの結果はどうだったのでしょうか? 中川先生: 平均値は100のところ、南壽さんのEBHSは91.8と、平均よりかなり低い(EBHS -8.8)という結果が出てしまいました。