台湾TSMCが過去最高の決算、世界9番目の「1兆ドル企業」に
台湾の半導体大手TSMCが10月17日に発表した第3四半期(7~9月)決算は、売上高と純利益がともに四半期ベースで過去最高となった。これを受け、同社の時価総額は市場の終値で初めて1兆ドルを突破し、エヌビディアを含む他の半導体関連株も急騰した。 「AIに関する途方もない需要は、まだ始まったばかりだ」とTSMCの会長兼CEOの魏哲家は、第3四半期の業績発表で述べた。同社のニューヨーク上場株は12%上昇して史上最高値の209ドルを記録し、時価総額は1兆800億ドル(約162兆円)に達した。 TSMCの時価総額は、7月に一時的に1兆ドルの大台を超えたが、今回は初めて終値で1兆ドルを上回った。同社はアップル、エヌビディア、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、サウジアラムコ、メタ、バークシャー・ハサウェイに続いて世界で9番目に「1兆ドル企業クラブ」に仲間入りした。 一方、AIブームの恩恵を受けるエヌビディアの株価も4%上昇したほか、AMDやブロードコム、インテルといった他の米国の半導体株も1.5%以上の上昇を記録し、ダウ工業株30種平均とS&P500を押し上げた。 TSMCの魏会長は「AIの需要は本物だ」と宣言し、「ほぼすべてのAIイノベーターが当社に依存してカスタム半導体チップを製造している」と語った。世界で最も価値のある企業であるアップルとエヌビディアはともにTSMCの主要顧客であり、台湾企業の同社に自社のカスタムチップの製造を依頼している。 1987年にビリオネアのモリス・チャンによって設立されたTSMCの株価は、年初来で96%上昇し、過去2年間で200%以上の上昇を記録している。同社の時価総額は、17日にウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイの時価総額を上回った。
Derek Saul