トランプ氏、グリーンランド領有に再び意欲「絶対に必要だ」…自治政府「売り物ではない」反発
【ロンドン=蒔田一彦】米国のトランプ次期大統領が、デンマーク自治領グリーンランドの領有に意欲を示し、波紋を広げている。第1次政権時の2019年にもグリーンランド購入に意欲を見せ、デンマーク側の反発を招いていた。
トランプ氏は22日、駐デンマーク大使の人事を発表した際、「国家安全保障と世界の自由のため、米国はグリーンランドの所有権と管理権が絶対に必要だ」と主張した。これに対し、グリーンランド自治政府のムテ・エーエデ首相は23日、「グリーンランドは売り物ではない」とSNSで突っぱねた。
米国とロシアの中間に位置するグリーンランドは、ミサイル防衛システムの一部を担う米宇宙軍の基地が置かれるなど、戦略的な要衝だ。トランプ氏には、北極海への進出を続けるロシアや中国をけん制する狙いもあるとみられるが、デンマークとの間で再び亀裂を生む可能性がある。