96歳のアーティストが新聞をちぎって貼って見せるグルメ…美術館では初の作品展 瀬戸内市で開幕【岡山】
岡山放送
瀬戸内市の美術館で1月7日から96歳のアーティストの作品展が始まりました。作品に使われるのは、毎朝家に届くあれ、です。一体どんな作品なのでしょうか。 お皿にドーンと盛り付けられた大きなエビフライの絵。でもよく見ると…衣の部分になにか文字が見えます。 これは新聞をちぎって貼り合わせた、ちぎり絵。作者は奈良県在住の木村セツさん(96)。7年前に夫を亡くし、自分の時間ができたのをきっかけにちぎり絵を始めました。 90歳から始めて驚きの完成度。セツさんの作品は食べ物や飼い猫など、身近なものを題材にしていて、葉書サイズの紙に細かく鮮やかに表現しています。 孫がSNSに作品を掲載すると瞬く間に話題となり、今回、初めて美術館で展覧会が開催されることになりました。これまでセツさんが6年かけて制作した約140点の作品が展示されています。 おいしそうな「チキン南蛮」。唐揚げに、タルタルソースやネギなど細かい表現はお見事。会場ではセツさんが制作している様子も上映されています。ちぎっては貼り、ちぎっては貼り、そして、継ぎ足したり、修正したりを繰り返しながら2日かけて仕上げたということです。 (瀬戸内市立美術館 関洋平学芸員) 「セツさんはとても食いしん坊な人。食いしん坊な人が作る作品は温かみがあり、優しくて繊細。セツさんの人間味あふれる作品をいっぱい見てほしい」 この展覧会は瀬戸内市立美術館で2025年3月9日まで開かれています。
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