やっぱり美しい! 〈レンジローバー〉 ヴェラール
美しいクルマ、というものがある。いや、世に美を計る尺度は数多あるから、機能を追求したプロダクトはどれも美しいのではあるけれど、それでもやっぱり、美麗なクルマというものは存在すると思う。なかでもコレは間違いなく、トップクラスに君臨するのではないだろうか。〈レンジローバー〉 ヴェラールだ。
このクルマが登場したときに、驚かなかった人はいないのではないかと思う。まるで絵画のような佇まいは、これまでのSUVにはない洗練と濃淡をたたえていたものだ。実物を見るだけで心がしん、と静まり返って、つい立ち止まって眺めてしまったほど。そう、あれは2017年のジュネーヴ・モーターショーでのこと。アンヴェールされるやいなや、ヴェラールの評判は世界中を駆け巡った。いや本当に衝撃だったなぁ。そんなヴェラールがフェイスリフトを受け、日本で受注を開始したのが2023年2月のこと。今回はその美貌などをチェックしてみたい。
エクステリアではやはりフロント及びリアのライト、そしてフロントグリル、リアバンパーに手が加えられた。“モダンラグジュアリー”のアプローチのもと、よりエレガントで洗練された雰囲気に仕上げたという。 そもそも美麗なライトまわりを持つヴェラールだが、これがピクセルLED(シグネチャーDRL付き)を標準装備で得たことにより、よりキリッと引き締まった印象に。また、新しいグリルのデザインが横方向の広がりを強調して、現代的なデザインに磨きをかけた。テールランプもチューブ状のLEDライトがフラットな美しさを表現し、無機的ともいえるヴェラールのリアデザインをさらに引き立てている。
最も現代的に進化したのはインテリア。なんと、コンソールのほぼすべての物理スイッチを排除して、驚くほどのミニマルさを叶えたのだ。同時に、上下二画面を配置していたディスプレイを、11.4インチサイズのフローティング式タッチスクリーンに置き換えている。 そもそも〈レンジローバー〉はインパネのデジタル化が早かったのだが、この新型でももちろんフル液晶のメーター画面を堪能できる。グラフィックの作り方も独特で、とにかくドラマティックだから、乗り込むたびに思わずコンソールを触って悦に入る、なんていうルーティンも生まれそうだ。そう、センターコンソールに置かれたのは、なんとも潔いことに、シフトレバーだけなのだから、つい撫で上げたくもなるというもの。