「ダメージは蓄積する」震度7に“耐えた家” 小さな揺れでも倒壊に注意
能登半島地震では、これまでに3万を超える住宅が全半壊、または一部が破損する被害を受けました。一方、地震による被害を免れた住宅でも、専門家は「小さな揺れで倒壊する恐れがある」と警鐘を鳴らします。 【写真を見る】「ダメージは蓄積する」震度7に“耐えた家” 小さな揺れでも倒壊に注意 各地で大きな被害を及ぼした能登半島地震。 全半壊、または一部が破損した住宅は23日午後2時時点で3万8713棟にのぼっています。 地震の揺れと建物被害の関連性について研究する金沢大学の村田晶助教は能登地方特有の「建物の特徴」について指摘します。 ■頑丈で風雪に強い“能登瓦”「地震にとっては不利に働く」 金沢大学 村田晶 助教(地震防災工学) 「ここは風が強かったりするし、当然積雪地域なので雪も降る。そういったものに対応するためには、”能登瓦”と言われている、屋根の部分がそれなりに重量感のある建物が多い。屋根が重いと地震にとっては不利に働く。」 JNN取材団 北野真啓 記者 「震度7を観測した石川県志賀町富来です。こちらでも被害の爪痕が痛々しく残っています。一方で、倒壊をなんとか免れた住宅では、住民たちがいまも懸命に生活を続けています。」 震度7を観測した志賀町。被害の爪跡が痛々しく残っていました。 住民は「もう怖くていられないし、家は壊さないといけない感覚。もはやそういうのは忘れたい。」と、不安な様子でした。 一方、同じ志賀町でも被害状況にはばらつきがありました。倒壊を免れ、今も生活を続ける住民の姿も。 住民は「家のほうは大丈夫です。生まれ育ったところなのでここがいちばん素敵な町なので、絶対ここから離れたいと思いません。住めるように1日も早くなんとかしてほしい」と、不安と闘いながら暮らしていました。 村田助教は「地震の大きさ」ではなく、「揺れの性質の違い」が、建物への被害を左右したといいます。 ■建物被害を左右した“共振”の恐ろしさ 「志賀町の被害が少なかった地域では“ガタガタガタ”という速い揺れが目立つのに対し、穴水や珠州はゆっくりとした揺れだった。そのゆっくりとした揺れが建物と共振を起こす。」(村田助教) 「共振」とは地震の揺れが1往復するのにかかる周期と建物が揺れる周期が一致したとき、建物の揺れがより大きくなる現象です。