マーベリック・ビニャーレス

　MotoGP第17戦オーストラリアGPのスプリントレースでは、マルコ・ベッツェッキ（VR46）とマーベリック・ビニャーレス（アプリリア）が絡むクラッシュが発生した。そしてベッツェッキは、このクラッシュ後のライバルの行動に不満を感じている。 【リザルト】MotoGP第17戦オーストラリアGP　決勝レース結果 　クラッシュはスプリントレースの終盤に発生。ターン1に向けてビニャーレスがベッツェッキを追い越した後のブレーキングで、ベッツェッキがビニャーレスに追突。高速状態でクラッシュし、2台が転倒することになった。 　幸いなことにいずれのライダーにも、大きな怪我は無かった。またこの件の責任があるとして、ベッツェッキは決勝でロングラップペナルティを科された。 　ただベッツェッキとしては、クラッシュ後にビニャーレスが中指を立てて来たことは承服しかねると感じられているようだ。 「クラッシュ直後の彼の振る舞いは気に入らない」と、ベッツェッキは言う。 「逆の立場だったら、僕なら時速300キロでクラッシュした後は、中指を立てて“Fxxx！”と何度も言うかわりに、その相手ライダーの様子を確認しに行くだろうね」 　ベッツェッキはロングラップペナルティが科されたことについては受け入れている。一方でビニャーレスの動きにも問題があったと彼は指摘する。 「昨日は変な状況だったよ。マーベリックがストレートでスリップストリームを使って僕を追い抜いていったんだけど……その後僕のバイクは左側に動いてしまっていたから、ストレートを走っている間にバイクを傾けなくちゃいけなかった。風によってアウト側の縁石に向けて押されたんだ」 「問題は僕がそうしていた時に、マーベリックが僕の前でブレーキをかけたことだ」 「彼は早めにブレーキングした。映像からも彼がブレーキをかけて、一度離してまたブレーキしているのがわかるはずだ。適切なポイントでブレーキをかけていれば、ブレーキを一旦離すことなんてないんだ」 「僕は縁石を避けるために既に右側に動いていた。彼を視認したとき、僕はまだ右側に進もうとしていたけど、スリップストリームに吸い込まれてしまった。接触を避けようにも、何もできることはなかった」 「これが難しい状況だったのは理解している。通常なら後ろにいるやつが非難される側だ。でも、昨年のカタールGPではペッコ（フランチェスコ・バニャイヤ／ドゥカティ）とファビオ・ディ・ジャンアントニオ（VR46／当時グレシーニ）のふたりが、バレンシアではマルティン（ホルヘ・マルティン／プラマック）とペッコが全く同じ状況だったんだ」 「（その事例は）別のタイプのコーナーで、もうちょっと遅くかつ風も弱くて、フィリップアイランドのスタイルとは少しだけ違うものではあったけどね」 「こうした状況は頻繁に起こり得るものだ。でも幸運なことに、大惨事は避けることができた」 「とにかく、僕が本当に気に入らないのはマーベリックのとった行動なんだ。でもペナルティについては気にしていない。不満は言わないし、ロングラップをこなしたよ」 　ビニャーレスはスプリントレースのクラッシュについてそれ以上コメントしたがらなかったが、ベッツェッキへのペナルティには満足しているようだった。 「スチュワードは基準を設定する必要があった。彼らはそれを行なったんだ。それで問題ない」 　なおビニャーレスはオーストラリアGP決勝を8位でフィニッシュ。ベッツェッキは痛みを抱えながら走りきり、19位となった。