借りた奨学金は500万円。就職浪人を考えていますが返済はどうなりますか?
物価高や大学の学費の高騰などにより、現在は大学生の多くが奨学金を利用しています。奨学金には給付型と貸与型があり、貸与型の場合は返済義務が生じます。しかし、就職活動がうまくいかなかった、自身の病気やけが、または家族の病気、仕事が続かないなどの理由で返済ができなくなる方も珍しくありません。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 本記事では、奨学金を返せなくなるとどのような不利益が生じるのか、やむを得ない理由で奨学金が返せなくなった場合の対処法などを解説します。
奨学金が返せないとどうなるのか
貸与型奨学金を利用した場合、返済義務があります。しかし、さまざまな理由で奨学金が返せなくなる場合もあるでしょう。 「独立行政法人日本学生支援機構」の発表によると、令和3年度末で奨学金の返済を滞納している方は12万8000人で全体の2.7%です。本項では、奨学金を返せなくなるとどのような不利益が生じるのか紹介します。 ■延滞金が課せられる 奨学金には複数の種類があります。利息付きの奨学金を借りた場合、返済が滞ると延滞金が課せられます。延滞金の利率や滞納して即延滞金がかかるかどうかは、奨学金を利用したときの契約書を確認してください。 延滞金の利率によっては、返済が滞るほど返済額が上がっていきます。奨学金を借りる際、可能ならば返済が滞っても延滞金がかからない、かかっても利率が低いものを選びましょう。 ■保証人に返済請求が行く 奨学金を借りる際には、保証人を立てるのが一般的です。奨学金を借りた方が返済を滞ると、保証人に返済請求が行われます。奨学金の保証人を引き受けてくれる方は、親、社会人として働いている兄弟、おじやおばなどの親族が多いですが、誰もが奨学金を借りた方を信用して保証人を引き受けたはずです。 奨学金の返済が滞り、保証人に返済請求が行くような事態になれば、保証人からの信頼を失うでしょう。また、保証人に返済能力がない場合、保証人が債務整理などを行わなければならず、多大な迷惑がかかります。 ■信用情報に傷が付く場合もある 奨学金の返済を滞納したまま3ヶ月が過ぎると、「個人信用情報機関」に返済を滞納した情報が登録されます。個人信用情報機関は「ブラックリスト」と呼ばれることもあり、登録されるとクレジットカード会社をはじめとする金融機関に滞納情報が共有されます。 その結果、クレジットカードを新しく作れない、住宅ローンや車のローンなどを組めないといった不都合が生じる可能性があります。個人信用情報機関に情報が登録されても奨学金を返済し、一定期間が過ぎれば情報は消えます。しかし、その期間は返済完了後5年間と長いので、マイホーム取得などに影響する恐れもあります。