男子サッカーで日本のオーバーエージ活用は5度、ロンドン・東京では4位…使わずに3連敗の大会も
2大会ぶりのOA枠復活となったのが、関塚隆氏率いた12年ロンドン大会。同年5月のトゥーロン国際で3試合7失点と守備で弱点を露呈すると、吉田麻也(VVVフェンロ)と徳永悠平(F東京)の両DFを起用。吉田は北京、徳永はアテネでの苦い経験を糧に最終ラインをまとめ、エジプトとの準々決勝まで4試合連続無失点に貢献した。金メダルを獲得したメキシコに準決勝で敗れ、3位決定戦でも韓国に屈し、最終成績は4位だった。
21年の東京大会はオリンピックの延期に伴い、年齢上限が23歳から24歳に引き上げられた。フル代表の森保一監督が指揮を執り、OA枠で選出したのはフル代表でも主将を任せていた吉田(サンプドリア)。2度目のOA選出は初だった。ロンドン大会代表の酒井宏樹(浦和)、16年リオデジャネイロ大会代表の遠藤航(シュツットガルト)も入り、OA選手で守備を固め、前線は機動力のある若手に任せるチーム構成で1次リーグを3連勝で突破。続くニュージーランドをPK戦の末に退け、ロンドン大会以来の4強を果たしたが、スペインに延長で0-1で競り負けると、3位決定戦では1次リーグで勝利していたメキシコにも敗れ、53年ぶりのメダルには届かなかった。
2016年のリオデジャネイロ大会は1勝1分け1敗で1次リーグ敗退。大会前、当時の霜田正浩・日本サッカー協会テクニカルダイレクターが「どのクラブも欧州での試合や、新シーズンへの準備などを重要視している」などとして海外クラブ選手のOA枠での起用は難しいとの見通しを示していたが、実際、この時は3枠を国内勢が占めた。
東京大会は地元開催ということもあり、招集に所属クラブの理解も得られやすかったというが、今回はパリ大会。大岩剛監督率いるオリンピックチームはどんな編成で臨むのだろうか。