ペットボトル水平リサイクル促進へ サントリーHDと協定締結 南房総(千葉県)
南房総市は、飲料メーカーのサントリーホールディングス(HD)株式会社と、同社が取り組んでいるペットボトルの「『ボトルtoボトル』水平リサイクル」に関する協定を結んだ。11日に市役所本庁舎応接室で締結式が行われ、石井裕市長と同社サステナビリティ経営推進本部の北村暢康副本部長が、協定書にサインした。 同社では、2019年に「プラスチック基本方針」を策定。30年までにグローバルで使用するペットボトルについて、化石由来原料の新規使用をゼロにする「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標達成に向けて取り組んでいる。 「ボトルtoボトル」水平リサイクルは、使用済みペットボトルを回収・再生し、新たなペットボトルに生まれ変わらせる取り組み。ペットボトルを資源として何度も循環することで、新たに化石由来原料から作るよりも、CO2排出量を約60%削減できるという。 今回の協定は、「ボトルtoボトル」水平リサイクルに協働で取り組み、ペットボトルの再生先を明確に「見える化」することで、住民のリサイクル意識の向上とリサイクル促進を図り、脱炭素社会の実現と循環型社会を形成することが目的。25年4月からは、同市が分別・回収したペットボトルを圧縮形成して出荷し、同社指定のリサイクラーで再資源化した後、同社で飲料用ペットボトルとして生まれ変わらせて飲料製造に使用されるという。 主な協定内容は▽再資源化の促進▽住民の分別意識の向上▽資源の有効利用促進および持続可能な循環型社会への実現――に関するものとなっている。 石井市長は、今回の協定を環境保護と持続可能性の観点で重要な一歩とし、「地球環境の保護と資源の有効活用に貢献する重要な取り組み。より効果的に推進し、地域社会全体で環境への貢献を目指したい」とコメント。 北村副本部長は「水平リサイクルの推進には、地域住民の皆さまの協力が不可欠。南房総市では、すでにペットボトルの分別推進を進めていると伺っているので、この協定を機に連携をさらに深め、地域の皆さまと一緒に持続可能な循環型社会の実現に向けて努力を続けてまいりたい」と話した。 今後は、同社から市内の学校に講師を派遣しての出張授業や、啓発ポスターの作製などに協働で取り組み、水平リサイクルの啓発活動を推進していく予定だという。