「試合に出るのも怖い」巨人・門脇が“2年目の苦悩”を激白 壁を乗り越えるために必死にやっていること
巨人・門脇誠内野手(23)が23日、プロ2年目の苦悩をスポーツ報知に激白した。開幕から遊撃のレギュラーとしてフルイニング出場してきたが、打率2割2分1厘、守備ではリーグワーストタイ7失策と攻守で安定感を欠いている。18日の広島戦(マツダ)では今季初のスタメン落ちも経験。試行錯誤は今も続いており、打率3割2分3厘と最も対戦率が高い得意の阪神戦(甲子園)で復調のきっかけをつかみたいところだ。 【動画】ノックを受ける坂本と門脇 壁を打ち破るため、門脇が必死にもがいている。開幕から全試合でフル出場してきたが、17日の広島戦(マツダ)で途中交代すると、その後2試合連続でスタメン落ち。43試合に出場して打率2割2分1厘、0本塁打、7打点で、直近25打席連続無安打と思うような結果は出ず、22日の中日戦(東京D)も出番なく、ベンチで敗戦を見届けた。2年目で直面した試練。若武者は険しい表情で率直な心境を明かした。 「悔しい気持ちはもちろんある。元々レギュラーだとは思っていないですし、いつ代えられてもおかしくない状況で代えられたので当たり前だと思う。これだけ使ってもらっていたので結果を出さないといけなかった。2年目で当たり前に行くとは思ってないので、勉強だという気持ちもありますけど、あれだけ思うようにいかないと試合に出るのも怖くはなります。去年の前半戦もそういう時がありました」 昨オフから遊撃のレギュラーとして明言されて迎えた2年目の今季。自主トレでは鹿児島・鹿屋体大で「動物的な動き」をテーマにした異色トレーニングや、動作解析を行うなど持ち前の向上心でレベルアップを図ってきた。しかし、ここまで攻守で苦しんでいる。守備ではスーパープレーもある一方で、「スローイングも捕球も防げる凡ミスが多い」。7失策はセ・リーグワーストタイだ。特に持ち味として評価されてきた堅守にほころびが出ていることが、背番号5のリズムを乱している。 「去年よりも守備が安定していない。昨シーズンは打てない中でも何とか守備で貢献と思ってやれていたんですけど、今は逆に守備が不安定過ぎている。それが今年は怖いという感じにつながっていると思う」 現状を打破しようと必死で動いている。遊撃での試合出場継続は実質1年目。守備機会も運動量も他と比べて多いポジションだけに試合が続けば負担や疲労は想像以上にある。ただ、「それがプロ野球なので」とミスの原因にはしない。1年目から見守る川相内野守備コーチは上体が浮いてしまい、「足が使えてない」と分析。現在は球際の強度やスローイングの安定性を高めるために、下半身をしっかりと動かして下から打球に入る意識を再確認して、練習に励んでいる。 「やっぱり守っている時間のほうが長いので、守備が良くなってくれば、全然違うと思う。もう練習するしかない。練習して自信つけていくしかないと思います」 打撃でも変化を加えている。今季初のベンチスタートとなった18日の広島戦(マツダ)。全体練習から外れて阿部監督から個別指導を受け、従来よりもゆったりとボールを呼び込むフォームへと改良中。昨年も打率1割台だった夏場に当時、ヘッドコーチを務めていた指揮官から逆方向の意識を助言され、コツをつかんだ経験がある。 「『シンプルに打とう』と今はやっている。監督からは前から言われていることですけど、どうしても(構えから)固まってしまっているんで、もう少し楽にして、動きながら打ちにいこうとやってます」 1年目は怖いもの知らずで突き進めても、2年目はミスへの恐怖心や責任感が増える。相手から研究され、対策も練られる。偉大な先輩たちもそんな“2年目のジンクス”を経て、地位を確立してきた。思い返せば昨年の前半戦も「打てずにめっちゃ苦しかった」と打率1割台と苦悩する日々を過ごしたが、必死に食らいついた結果、レギュラーを奪取した。まずは今季打率3割2分3厘と好相性の阪神戦(甲子園)から逆襲に転じる。壁を乗り越えた時、門脇はまた一回り大きくなる。(宮内 孝太) ◆今季のG門脇 ▽3月29日 阪神との開幕戦(東京D)に「2番・遊撃」で先発。プロ初の開幕スタメン。 ▽4月9日 ヤクルト戦(鹿児島)でプロ初の3番。 ▽同17日 阪神戦(甲子園)でプロ2度目の1試合4安打。 ▽5月17日 広島戦(マツダ)で昨年10月以来の1試合2失策。今季初の途中交代。 ▽同18日 広島戦(マツダ)で今季初のスタメン落ち。
報知新聞社