鹿児島県・大和村の晨原教育長、自作の読本を奄美図書館に寄贈、郷土教育に「ヤマトとシマの歴史比べて」
郷土の歴史や伝統文化、自然や産業などを正しく学び理解し、郷土へ誇りと愛着を持ち、郷土の発展に貢献する心情を育んで――。大和村教育長の晨原(あさはら)弘久さんが14日、自作の読本『島人は知っておきたい ヤマト(日本)の歴史・シマ(奄美)の歴史』を、奄美市名瀬の県立奄美図書館に寄贈した。 晨原さんが同図書館に読本を寄贈するのは今回で5冊目。読本は、子どもから大人まで幅広く読んでもらおうと、イラストや資料写真などもふんだんに取り入れており、晨原さんは「郷土学習に少しでも参考になれば幸いです」と話した。 読本はA4サイズ(横組)48ページ。左ページにヤマト(日本)の歴史、右ページにシマ(奄美)の歴史が書かれており、見比べながらそれぞれの時代の代表的な出来事を精選。高梨修さん(大和村教育委員会)、中山昭二さん(大和村文化協会)、喜友名正弥さん(奄美博物館)の協力のもと、1年半かけてまとめた。 奄美の子どもたちが学校で学ぶ歴史は、ほとんどがヤマト(日本)の歴史。日本国民として大切な学習だが、シマ(奄美)の歴史との関連を学ぶ機会が少ないことから、「先人たちの偉業がこんにちの奄美を築いてきた。誇るべき歴史を知ってほしい」との思いが込められている。 読本は同図書館のほか、同日に大和中学校へ寄贈。16日には大和小学校、今月中に群島内の関連機関などに寄贈予定。晨原さんは「進学・就職などで奄美を離れることがあっても、生まれ育った奄美を心の支えや誇りとし、都会で学んだ知識や技能が奄美で生かせるなら、古里奄美に帰り、共に『島興し』に励んでほしい」と語った。 同図書館の宮永治館長は「将来、奄美を担う子どもたちの人材育成にも大きく役立てられるようにPRしていきたい」と話した。