センバツ高校野球 専大松戸、春切符に笑顔 更なる進化へ「心技体」(その2止) /千葉
◇粘り強く、関東準V 昨秋は初の県大会制覇に続き、過去最高となる関東大会準優勝を成し遂げ、センバツへの切符を手にした専大松戸。ここまでの道のりは平たんではなく、持ち前の粘り強さで厳しい試合を勝ち抜いてきた。 県大会序盤は余力を残して勝ち上がった。昨夏の大会後、肋骨(ろっこつ)の痛みを訴えて調整を続けていたエースの平野大地(2年)は、準々決勝の木更津総合戦から始動。秋の県大会2連覇中の強敵を相手に九回を投げ切り、チームに勢いをもたらした。 続く準決勝の相手は、昨夏の甲子園に出場した市船橋。終盤まで3点をリードしていたものの、平野が八回に捕まり、追いつかれた。だが、苦しむエースを打線が救った。延長十一回、1年生ながら中軸を打つ中山凱がしぶとく適時打を放ち、関東大会への切符を手にした。 関東大会は厳しい試合の連続だった。1回戦こそコールド勝ちを収めたが、準々決勝の作新学院(栃木1位)との一戦は終盤まで2点を追いかける苦しい展開。七回2死一、二塁から清水友惺(ゆうせい)(1年)、中山の連続適時打で逆転し、2番手で登板した平野が最少得点差を守り切った。慶応(神奈川2位)との準決勝は、上迫田優介(2年)の決勝打で延長十回の死闘を制した。 歴史を塗り替えた選手たちだが、この結果に満足しているわけではない。大森准弥主将(2年)は「決勝という勝負どころで勝ち切れなかった。心技体を鍛え直す」と更なる進化を目指す。【近森歌音】 ……………………………………………………………………………………………………… ◆学校プロフィル ◇OBに日ハム・上沢投手 学校法人専修大学が1959年に創立。建学の精神として、「報恩奉仕」「質実剛健」「誠実力行」を掲げる。国際社会を担うリーダーを育てることを目指しており、英語教育に力を入れている。 将来の目標に応じて四つの類型に分かれ、現在は1292人の生徒が在籍する。専修大への内部進学も含め、卒業後は大半が国内外の大学へと進む。 野球部以外の部活動も盛んで、陸上競技部や相撲部はインターハイ出場の常連だ。ラグビー部やサッカー部なども県内屈指の強さを誇る。 北海道日本ハムファイターズの上沢直之投手は野球部OB。スポーツ界以外にも、放送、芸能など幅広い分野で活躍する卒業生を多数輩出している。