【MotoGP】今年のマルティンは一味違う! タイトル争い敗れた2023年から「何秒差で勝っても勝利は勝利」と学び成熟したレース運びへ
ホルヘ・マルティン(プラマック)は2024年のMotoGP第2戦ポルトガルで勝利。彼は自らの走りが、以前よりも成熟したものになっていると、自信を深めている。 【動画】MotoGP2024 第2戦ポルトガルGPハイライト マルティンはポルトガルGP決勝で3番グリッドからスタートし一気に前に出ると、その後は2番手以下にトップを譲ることなくリードを保ち続けてフィニッシュ。今シーズン初優勝を手にした。 ポルトガルGPではライバルのフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が転倒ノーポイントに終わったため、マルティンはランキング首位に浮上した。彼が24時間以上ランキング首位を維持するのは実は今回が初めてのことだ。 そんなマルティンは、ポルトガルGPにおける勝利は「本当に成熟したものだった」と評価しており、自らのレース運びは昨年の学びからくるものだと語った。 マルティンは2023年のインドネシアGPではライバルを3秒引き離して優勝を目前にしていたが、終盤に転倒。シーズンも終盤という重要な時期に、バニャイヤに対して貴重な25ポイントを失ってしまった。前日のスプリントで勝利し、キャリア初のポイントリーダーに浮上していたが、このクラッシュでその座からすぐに陥落してしまっていたのだ。 彼はそういったレースから、大きなギャップを築いて勝つことと、小さなギャップで勝つことに変わりはないと考えるようになり、実際にポルトガルGPではペースをコントロールしていたという。 「たしかに後ろとの差が0.2~0.3秒ほどでは簡単ではなかったよ」 マルティンは2番手を追走していたマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)やエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)を念頭に、そう語った。 「だけどギャップが0.7秒ほどまで広がったところで、僕は『よし、今はこのギャップをキープするときだな』と思ったんだ。(昨年の)インドネシアのことを覚えているし、0.8秒差で勝とうと3秒差で勝とうと、それは同じことなんだと思った」 「今回はそれで十分だったんだ。あちらが0.1秒を詰めてきたなら、僕もそれだけプッシュすればよかった。もう少しプッシュするだけのマージンがあったんだ。今回のレースは本当に成熟したモノだったから、とても満足している」 マルティンは2023年にスプリントレースで9勝を記録。その一方で決勝レースではバニャイヤに先行を許す事が多く、これがタイトル争いの趨勢を左右することにもなった。 ただ2024年型マシンについてマルティンはスプリントレースよりも、より長い決勝で上手く機能していると語っている。それもこういった成熟したレース運びに繋がっているのだろう。
Lewis Duncan