“おにぎり”がピンチ!「いや、まじか…」お店も困惑、コメとノリの価格が高騰
農林水産省が発表した「主食用のコメの収穫量(全国)」によると、コメの収穫量は年々減少。2022年は約670万トン、2023年は約661万トンと、去年に比べて今年は約9万トン減少している。
お店によると、去年の夏頃からインバウンドなどで外食の需要が上昇。その影響で、品種によっては急に在庫が切れて価格も上がり、コメの需給バランスが崩れているという。 「去年の仕入れ価格より、1.7倍ぐらいになっている。ほんとに異常事態ですね…」と困惑する服部さん。新米が出そろう9月以降には、価格が落ち着くのではないかと予想している。
ノリも値上がり!平均単価は3年前の倍
ピンチを迎えている「おにぎり」。実はコメだけではなく、ノリも値上がりをしていた。 『荒木海苔店』荒木隆史社長は、「この2年で(共販の)平均価格で比較すると2年前の約1.8倍。3年前と比べると平均単価は倍ぐらいですね。かなりキツイ」と話す。
全国漁業のり事業推進協議会が発表した「ノリと入札枚数と平均単価」によると、ノリの取引枚数は去年、一昨年と激減。2019年は約70億枚だった共販数量は、2023年に約49億枚に減少。2019年に約13.4円だった平均単価は、2023年には約21.1円に値上がっている。 取引枚数の減少理由については、全国の生産量の半分近くを占める、九州・有明海での不作が2年連続で続いたことが主な要因といわれている。
入札枚数と平均単価の変化は、店で販売する商品にも影響をおよぼしている。『荒木海苔店』では、「味付け海苔」を540円から648円に値上げ。寿司などで重宝するノリは、50枚入りだったものを、30枚に変更し、価格を少しだけ下げたという。
「以前、卵・モヤシの価格が変わったことがあったが、消費者に受け入れる素地が出来上がれば、なんとかがんばっていけるかなと」と話す荒木社長。 値上がりが収まるのが先か、需要と供給が落ち着くのが先か。 ”おにぎり”をめぐるピンチはしばらく続きそうだ。