RKKラジオの「ミミー号」初登場から50年 熊本県内各地から話題や天気を生中継 現場の臨場感、伝え続ける
「呼んでみましょう。ミミー号~」。熊本放送(RKK)ラジオのスタジオから中継車を呼ぶ声は、半世紀を経てすっかりリスナーの耳なじみになった。熊本県内を駆け回り、地域の話題や気象情報などを生中継する「ミミー号」が、10月で初登場から50年を迎えた。この間、約100人のミミーキャスター(全員女性)が誕生。五感を駆使して取材した情報を電波に乗せ、臨場感のある中継を続けている。 9月下旬の午後3時。生中継の40分前、ミミーキャスターの2人は、熊本市北区のパラスポーツコーディネーター山本行文さん(69)宅で準備を進めていた。小出馨子さん(29)は山本さんとインタビュー内容を打ち合わせ、古戝沙季さん(25)は中継機材の準備や回線を念入りにチェックしていた。 9分間の生中継では、大分国際車いすマラソン(11月、大分市)に出場する山本さんに、競技の魅力や目標などを語ってもらった。 ■「具体的に伝える」
生中継は月~金曜に1日5回。午前10時台と午後3時台にインタビューや地域の話題などを放送し、残り3回は気象情報を伝える。 気象情報の多くは、移動中に車を止めてリポートする。「声でしか表現できない分、具体的に伝えたい」(小出さん)と、雲の流れや木の揺れ、ミミー号の車体を触った感覚といった情報を盛り込む。 反響も肌で感じている。取材先での歓迎に加え、信号待ちの際、隣の車から手を振ってもらったり、向かいのトラックから合図をもらったりすることもある。「大きなやりがいになっている」と小出さん。 災害が発生した際のリポートも担当する。2016年の熊本地震や20年の熊本豪雨などでは、避難所の様子やボランティアの活躍を伝えた。古戝さんは今年の台風時に取材を経験。「リスナーの方が少しでも安全に過ごせるよう、現状を細かくリポートすることを心がけた」という。 ■「セリカに乗りたい」 ラジオで長時間の生放送が増えていた1974年、「県内の生活情報や交通情報の取材」を目的に誕生。名称は公募し「情報は耳から入る」ことからミミー号に決まった。