最新軽量ドライバーの進化は「ゼクシオ」のおかげかも!? 高反発規制→軽量化競争とたどった進化の歴史を振り返る
『週刊ゴルフダイジェスト』2024年2月13日号の巻末カラーページでは「軽量ドライバー ガチンコ試打」と題し、国内外の軽量ドライバーの打ち比べを実施。「みんゴル」では国内外の軽量ドライバーの歴史を振り返る。
ゼクシオが巻き起こした高反発ブーム
そもそも「ゼクシオ」登場以前の1990年代後半、キャロウェイの『グレートビッグバーサ』や『ビゲストビッグバーサ』が日本で大ブームとなっていた。 その大人気ドライバーを日本における総代理店として広め、一手に販売していたのが住友ゴム工業、つまりダンロップ。しかし、住友ゴム工業と米国キャロウェイの代理店契約は99 年をもって更新されずに終了。 年間100億円とも言われていたキャロウェイゴルフクラブ事業の穴を”自社ブランド”で埋めなくてはならなくなった。 そんな背景から2000年に誕生したのが初代『ゼクシオ』だった。薄肉のチタンフェースでボールを弾き飛ばし、売り上げ1位を記録すると、2代目、3代目も高反発フェースでさらに初速性能を高め、日本に高反発ブームが到来。 他メーカーもこぞって高反発ドライバーをリリースし『ゼクシオ』を追随したが、この高反発競争に待ったがかかった。 2008年のSLEルールの導入だった。ヘッド体積、クラブの長さに加えフェース反発係数(COR)が0.830以下と規定されてしまったのだ。 そのため『ゼクシオ』も2006年の4代目ではルール適合モデルと高反発モデルの2本をラインナップするも、その勢いに陰りが見える。だが2008年の5代目で初代と同じ285gに軽量化、ヘッド体積も初めて460ccになり、「高反発より飛ぶ」と再び人気に火が付いた。 だが、日本特有だった「高反発ブーム」の波に乗れなかった外国ブランドも、高反発が規制されると王者『ゼクシオ』に挑み始める。
高反発規制後にリリースされた軽量モデルのキャロウェイ『レガシー』
口火を切ったのは『ゼクシオ』誕生のきっかけとなったキャロウェイだった。SLEルールが施行された2008年に日本市場向けの軽量モデル『レガシー』をリリース。 テーラーメイドも2012年に日本専用モデルの『グローレ』で軽量ドライバーに参入。 タイトリストは2016年の日本向け『VG3』の4代目を282gに設定した。『レガシー』は2012年で、『VG3』は2018年で姿を消したが、軽量モデルは各ブランドでラインナップされ続けている。 SLEルールの施行後、反発性能、大きさ、長さを上限いっぱいに収めているドライバー開発のなかで、唯一ルール上限に達していなかったのが慣性モーメントだった。