【ライブレポート】A.B.C-Zの感謝にあふれた4人体制初ツアー東京公演、塚田僚一×屋良朝幸のサプライズコラボも
A.B.C-Zの全国ツアー「A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R」の東京公演が、9月28日と29日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われた。この記事では29日昼公演の模様をレポートする。なお記事後半には公演内容の一部ネタバレが含まれるので、これから参加予定の人はご注意を。 【ライブ写真】新作収録曲から過去の名曲まで全31曲をパフォーマンス ■ 再録EP、新曲、ライブ映像配信を発表 「A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R」は8月にリリースされた4人体制初のアルバム「F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。」を携え、全国5都市で行われるツアー。アルバムの先行シングル「君じゃなきゃだめなんだ」のミュージックビデオのコンセプトにもなった、昭和から平成の歌番組のようなレトロな世界観を随所にちりばめ、「歌って踊る、日本のアイドル」をアピールするステージで集まったファンを楽しませた。 この昼公演では9月30日に過去の楽曲を新体制で再レコーディングした配信EP「from Z to ABC -I-」、11月27日にニューシングル「ヒリヒリさせて」をリリースすることを発表し、観客を大喜びさせる。「from Z to ABC -I-」の収録曲はファンに人気の高い楽曲をメンバー主導でセレクトしたとのことで、このうちの1曲「fragrance」を挙げたという橋本は「みんなの気持ちわかってるんで」とクールな表情で言い放った。シングル「ヒリヒリさせて」は作詞を森浩美、作曲を馬飼野康二、編曲を星野靖彦、振付をTAKAHIROが手がけたダンスナンバー。ステージ上では振り入れに臨む4人をTAKAHIRO自らが撮影したという予告映像も上映された。 さらに今回のツアーの模様がU-NEXTで配信されることも発表された。A.B.C-Zのコンサート映像が配信されるのは今回が初、U-NEXTでの単独コンサート映像の配信は事務所初となる。配信は11月16日17:30にスタートする。 ■ アルバム収録曲から往年の名曲まで 今回のツアーで4人はアルバム収録曲を中心に、円熟味を増したボーカルとダンスパフォーマンスでファンを魅了。一方「火花アディクション」「Crazy Accel」「InaZuma☆Venus」といった過去の人気曲をメドレー形式でパフォーマンスし、会場のテンションを一気に上昇させるひと幕もあった。各曲の歌詞や世界観を表現した映像演出も見どころの1つ。「じゃないほう讃歌」ではアイドルを目指す女性を描いたストーリー仕立ての映像が4人のパフォーマンスを彩った。 4人が客席通路に降り立ち、観客の目の前でコミュニケーションを取りながら歌唱する場面も。1階だけではなく2階や3階にも現れ、A.B.C-Zならではのサービス精神を存分に発揮した。後半の「Twilight Blue」ではステージに高さ5mの“時空を旅する船”「F.O.R」が登場。船体にはラジカセやVTRカセット、ブラウン管テレビなどがはめ込まれ、A.B.C-Zという船がさまざまに変わりゆく時代を旅してきたことを表現した。 ■ 塚田僚一ソロ曲で屋良朝幸がサプライズ登場 またアルバムに収録された4人のソロ曲のパフォーマンスでは、それぞれの個性をいかんなく発揮。戸塚祥太は「月に行くね、光の連続」でシアトリカルなステージングを披露し、五関晃一は「リマレンス」で映像とシンクロしたダンスパフォーマンスで観客を沸かせる。橋本は白い布に覆われたステージで「浮遊」をセクシーに披露。ステージ上のベッドに仰向けになった橋本を俯瞰で捉えたカメラの映像には黄色い歓声が飛んだ。 さらに塚田僚一のソロ曲「Stay Back」では、振付と演出を手がけた屋良朝幸がサプライズで登場し、塚田とコラボパフォーマンスを披露。9月中旬に腰を負傷し、9月23日の熊本公演からは一部のパフォーマンスを制限している塚田をサポートするため、屋良は自身が主演するミュージカルの稽古日程を変更して渋公のステージに駆けつけたという。MCで4人に招かれてステージに現れた屋良はひさびさのA.B.C-Zとの共演を喜び「『Guys PLAYZONE』とかやります?」と呼びかけて観客を興奮させた。そんな屋良に自らのソロ曲の振付と演出を依頼した理由について、塚田は「僕が“カッコいい曲”をCDでリリースするのは初めてなので。ファンの皆さんからも『いつやるんだ?』と思われてて、ファンを辞めるギリギリのところまで来ていましたし(笑)」と過去の曲調を引き合いに出して笑いを誘いつつ、今回の曲に懸けた気合いをアピールした。 ■ 「皆さんのパワーが僕を輝かせてくれる」 最後のMCでは4人が今回のツアーに対する思いを語る。戸塚は「みんなが応援してくれているおかげで自分たちはスポットライトの中に立てています」と感謝を述べ、「みんなの肉声を聞ける機会はそんなに多くないので、僕が聴きたいフレーズをオーダーさせてもらえますか? シラフじゃなかなか言わないセリフだと思うけど(笑)」と呼びかけて、客席からの「すっごく大好き!」という声を浴びていた。五関は「(ライブ映像が)配信されるから、カッコよく演じるから付いてきて」と小声で懇願し、「一生付いてこれる? 素敵な笑顔、また見せてくれよな」とニヒルなキメ顔を披露して客席を沸かせた。 塚田は「ツアータイトルの『F.O.R』には“ファンの皆さんへ”というメッセージが込められているけど、4人になってからは“FORしてる”というより“してもらってる”と感じます。これからもFORし合える関係性を大事にしたいです」とファンとの絆を語る。橋本は「今日もみんなのことを好きだな、愛してるなと思える公演でした。皆さんのパワーが舞台上で僕を輝かせてくれます」と客席に思いを届け、16歳の頃にリハーサル帰りの屋良のバイクの後部座席に乗せてもらい、憧れて原付の免許を取得したというエピソードも明かして先輩との共演に感謝を表した。 今回のツアーは台風のため11月3日と4日に延期となった大阪・オリックス劇場での3公演まで、全13公演が予定されている。