夫婦関係は「大学受験」と同じ!?…パートナーの「地雷」を踏まないための「円満コミュニケーション術」とは
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第34回 『夫婦喧嘩に「正しいかどうか」は関係ない!?…離婚カウンセラーが提唱する「ケンカ」がなくなる《3つの法則》』より続く
夫婦関係の「傾向と対策」
私はよく、「夫婦関係は大学受験みたいなもの」とお話ししています。 大学受験では、自分の夢ややりたいことにふさわしいのはどの大学のどの学部か調べ、入試の「傾向」を研究すると思います。その上で、たとえば音楽大学に行きたいなら、英語の勉強よりまずピアノを練習しよう、などと「対策」を考えるわけです。 夫婦関係もこれと同じで、まず「傾向と対策」を考えるべきなのです。 「夫は几帳面で細かいから、こういう言い方をしてはダメ」といった「伝え方のコツ」を踏まえないと、思わぬところで地雷を踏んでしまいます。
相手を変えようとする前に自分を変える
「こう伝えたらうまくいった」「この一言でケンカになった」という成功や失敗の事例を蓄積し、とくに相手が「カチン」ときた「地雷データベース」を構築しておき、常に参照して対処すれば、夫婦関係はかなりうまくいきます。 でも、多くの人は「地雷データベース」を作成していないか、地雷であろうとわざと無視しています。だから相手はちょっとした言い方にもカチンときてしまうのです。 残念ながら、ほとんどの人は、人間関係や夫婦関係を良好に維持する作業を人任せにしがちです。相手といい関係を築けていれば「相手がいい人だから」、関係が悪くなれば「相手が悪いから」と考えるのが普通です。 でも、そんな考え方だと、関係を改善することは不可能です。夫婦関係が悪化しているのは相手の人柄や性格の問題、自分のほうに改善すべき点はない。そう考えているなら、ひとたび関係が悪化したら修復しないまま離婚するしかありません。他人の行動をコントロールすることはできないので、相手が自分の好みに合わせるように自然と変わってくれることはないからです。 人間関係をよくしたいのなら、相手を変えようとする前に、まず自分の行動を変えたほうがよほど効果的です。