モナコでの接触を映像で見返したマグヌッセン、改めて見解語る「ペレスは僕のことを見ていた。だからスペースを空けてくれると信用していた」
前戦モナコGPで、1周目にセルジオ・ペレス(レッドブル)と接触してレースを終えたケビン・マグヌッセン(ハース)。カナダGPを前に、改めてアクシデントについて振り返った。 【動画】次世代F1マシンはこうなる! FIAが2026年新規則を公開 アクシデントはサンテ・デボーテを立ち上がった先で起こった。マグヌッセンはペレスに右側から並びかけようとしたものの行き場がなく、両者のホイールが接触。バリアにクラッシュしてニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)もこれに巻き込まれた。 モナコGPの後、アクシデントのリプレイを見ることに時間を費やしていたというマグヌッセンは、依然としてなぜペレスが十分なスペースを残さなかったのか理解できないという。 「チェコ(ペレス)がダーティなドライバーだとか、そう思っているわけではない」 マグヌッセンはそう語る。 「でも彼がスペースを空けてくれなかったことには驚いた。明らかに、彼は僕を威嚇して後退させるために壁に追いやったんだ。でも、それは僕らがすべきレースのやり方じゃない」 「僕のことが見えなかったとは言えないと思う。彼は僕を見ていた。それが僕がアクセルを踏み続けた理由だ。彼は僕のことを見たから、スペースを空けてくれると信用していたんだ」 またマグヌッセンは、通常のレース後の事故分析では後ろを走るドライバーに衝突の責任を問われることが多いとしつつも、今回のケースではペレスに主な過失があった、という当初の裁定を支持していると話した。 「何度も見返したよ」とマグヌッセン。 「何かが起こった時、真実はいつもひとつだ。ただ改めて外から見た時に何が起こったのかについての見方が変わることがあるけど、今回のレースはそんなに変わらなかった」 そしてマグヌッセンは、ペレスが自分の存在に気付いているという確信がなければ、彼に並びかけることはなかったと説明する。 「彼は僕のことを見ていたし、それを僕も知っていた。もし彼が僕のことを見ている確信がなかったら、リスクが大きいと判断していただろう」 「その確信がなかったら、おそらくバックオフしていただろう。でも見えていたのは明らかだった。だから僕は『よし、彼は1車身空けてくれるだろう』と思ったんだ。僕は彼がそうすると信じていたけど、今思えば信用するべきじゃなかった」 「いずれにしても彼が1車身残さなかったというのは事実だ。僕の経験から、ドライバーによっては1車身空けてくれない場合もある、そういうリスクは常にあると頭に入れるべきだったかもしれない」 ペレスを信用して並びかけたというマグヌッセンだが、ペレスのマシンが自身の方に近付いてきた段階では、安全に引き下がることのできない段階になっていたという。 「かなり壁に近いところまで来ていた。彼のリヤが近付いてきていて、ブレーキを踏んでも僕のフロントが彼のリヤにあたるような状況だった」 「もう引き返せないところまで来ていて、あとは彼次第だった。あの時まで彼は僕を見ていたという確信があったし、僕の方が勢いをつけて迫るとすぐに、僕をカバーするために右に寄ったんだ」 「彼の頭(の向き)を見れば分かる。僕の方を見ていたんだ。間違いない。あの後オンボードを見返すと、何度もミラーをチェックしていたのが分かる。もし彼が見ているという確信がなかったら、僕はバックオフしただろう」
Jonathan Noble