どんな町になる? 立体化工事と再開発でダブル変貌中の京成立石駅と界隈
東京都内の立体化、地下化工事について書かれた看板があった。それによると、押上線のみならず、西武新宿線や東武伊勢崎線、京王線など多くの路線で実行されたり、計画されたりしている。踏切がなくなれば、事故は起きない。渋滞が解消され遮断された町が一つにつながる。鉄道と道路は平面で交わらない方が何かと都合がいい。 立体化工事の看板を見て、はるか昔の東急東横線中目黒―都立大学間の高架化工事を思い出した。1966年から始まった大事業で、沿線にいた私はこの工事前後を覚えている。渋谷から桜木町行きの先頭車に乗って初めて完成した高架に上がって見た空の大きさと周囲の家々の屋根の連続に驚いたことを覚えている。当時の「東急グラフ」には「踏切を一気に16カ所も取り除くという、東急はじまって以来の大工事」と巻頭ページに紹介されている。これ以降も鉄道各社はずっとどこかで高架や地下化で踏切をなくして立体交差化を進めてきたのだ。
今回訪れた立石駅と界隈は事前の情報通り、大変貌を遂げつつあることが分かった。高架化と再開発の一大事業が本番を迎えるのはこれからだろう。いつの日か高架や再開発が完成し、整然とした駅前広場ができ、高層マンションやビルがいくつも建つころには、記憶を呼び戻せないくらい町並みががらりと一変していることだろう。 ☆共同通信・植村昌則