別格ゆえに5億円! メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング・モス」の特別仕様カラーは新車時の約5倍の値段に
往年の名レーサー、スターリング・モスの名を冠したSLRマクラーレン
先ごろRMサザビーズ欧州本社の中東およびアフリカ地域への進出が発表されたことを記念して、2024年3月8日に、アラブ首長国連邦ドバイにて初のオークションが開催されました。ドバイらしい現代のハイパーカー/スーパーカーをはじめ、クラシックカーやオートモビリアなど多彩な出品が見られた中から、今回は事前告知などでとり上げられる機会の多かったメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング・モス」を紹介します。 【画像】「シルバーアロー300SLレッド」カラーのインテリアにも注目! メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング・モス」を見る(全44枚)
メルセデスSLR史上最強にして最後のモデル
メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン スターリング・モスは」、SLRマクラーレンとそのファミリーたちが栄光の歴史に幕を閉じようとしていた時期。2009年1月の北米デトロイト・ショーにてワールドプレミアに供された、世界限定75台のみのファイナルモデル。伝説の英雄スターリング・モスOBEが1955年の「ミッレ・ミリア」で勝利を収めた伝説の「300SLR」へのオマージュとして、それまでデリバリーされた一連のSLRマクラーレン一族のオーナー限定で販売された。 フロントミッドシップに搭載されるスーパーチャージャーつき5.5L V8ユニットは、高性能版「SLRマクラーレン 722エディション」と共通のチューニング。最高出力650psをマークし、0-100km/hは3.5秒。トップスピードは350km/hに達するという超ド級ハイパーカーであること自体は、ほかのSLRマクラーレンたちと大差ない。 しかし、ボディは一連のSLRファミリーとは一線を画したもので、ウインドスクリーンおよびサイドのスクリーンも省略した、いわゆる「バルケッタ」スタイルを採る。また、ボディワークやアンダー/サイドの新しい空力パッケージにカーボンファイバーを多用することで200kgの軽量化を実現。くわえて、左右のシート後方にはドライバー/パッセンジャーの頭部にあわせて隆起した「エアロダイナミックロール」が設けられるなど、モス/ジェンキンソン組が1955年のミッレ・ミリアで優勝した300SLRにいっそう近いフォルムとされた。 そして300SLRのごとく、パフォーマンスや美学、究極のドライビングの楽しさを追求するために、ベースとなるSLRマクラーレンの持ち前の快適さはほぼすべて犠牲にされたものの、視覚的なドラマが増すだけでなく、ドライビング体験の激しさも10倍にも高められたといえよう。 実際、2009年に『CAR』誌がロードテストを行った際、ジャーナリストたちはフルスロットル加速の体験を「ボーイング747の翼端に立っている」ことになぞらえ、このクルマを乗りこなせるのは「首の筋肉が耐えられる人」限定と謳ったそうだ。
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