沖縄・普天間だけじゃない 東京にも残る「米軍基地問題」
■全面返還目指す「赤坂プレスセンター」
横田基地軍民共用化の問題もさることながら、ほかにも東京都が全面返還を働きかけているアメリカ軍施設があります。それが、青山公園に隣接する赤坂プレスセンターと呼ばれる一画です。 赤坂プレスセンターには、ヘリポート、星条旗新聞社、独身将校宿舎などがあります。赤坂プレスセンターはアメリカ軍施設のため、東京都職員でも容易には立ち入ることはできませんが、小笠原諸島などの急病人を救急搬送するなどの緊急時は東京都の輸送ヘリも使用できるようにアメリカ軍と協定を結んでいます。同協定の定めに従って、東京都は年間で100回ほどヘリポートを使用しています。 「横田基地とは異なり、赤坂プレスセンターにあるのはヘリポートや宿舎といった施設です。これらは、ほかの場所に移転しても代替がききます。そうした事情もあり、東京都は赤坂プレスセンターに対して全面返還を要望しています」(同部) 赤坂プレスセンターの返還交渉では、今のところアメリカ側に表立った動きはありません。横田基地の軍民共用化も含め、東京の米軍基地問題も、都民が納得するような着地点に到達するまでには、まだ長い歳月を要することでしょう。 (小川裕夫=フリーランスライター)