泉谷しげる、48年ぶりにアルバムリリース 吉田拓郎のデビュー曲をカバー「ずっと機会を狙っていた」
きっかけは、フォーライフ後藤豊社長と偶然に出会ったこと
シンガー・ソングライターで俳優の泉谷しげるが、吉田拓郎のデビュー曲『イメージの詩』をカバーすることが11日、分かった。来年2月12日、古巣のフォーライフからリリースするアルバム『シン・セルフカバーズ“怪物”』に収録。泉谷は「『いつか歌いて~』と思っていた作品」と話している。同社は50周年を迎えるが、設立メンバーの1人だった泉谷が同社からアルバムをリリースするのは、実に48年ぶりになる。 【写真】コワモテ俳優も直立不動…泉谷しげるの姿 フォーライフが設立されたのは1975年だった。「私たちに音楽の流れを変えることができるでしょうか」を合言葉に小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷によって設立された。当時、若者の間で大人気だった4人によるアクションは、業界内に波紋を巻き起こす一方で「100億円の旗揚げ」と注目された。 だが、2年後の77年に泉谷が退社。拓郎は99年と陽水は2013年に抜け、小室だけが「設立した者としての責任。最後まで見守り続けたい」と言いながら、幅広い活動をしている。そして、泉谷は「自由を求めて設立メンバーに入った。1年目は楽しかったが、2年目からは段々、居心地の悪さを感じちゃったんだよね」と話している。 そんな泉谷が、48年ぶりに古巣からアルバムをリリースする。きっかけは昨年のある日、都内のライブ会場で同社の後藤豊社長(設立当時は副社長)と偶然に出会ったことだった。その後、何度か会って話していくうちに「後藤さんの男気に共鳴してしまった。フォーライフが設立50周年と聞いた時に、気持ちのどこかで『盛り上げてやりたい』って思ったんだよな」という。 同作はセルフカバーアルバム。すぐに決まった収録曲は、書き下ろした楽曲『怪物』と『たった一人の熱き思い』を含む全9曲だったが、泉谷は「フォーライフから出すんだったら」と考え、あえて拓郎のデビュー曲『イメージの詩』をカバーすることに決めた。泉谷の提言に後藤社長も「自分も拓郎との出会いも『イメージの詩』だったから、今回のアルバムで収録したいと言った時は感慨深かった」と実感を込めた。 そして、泉谷もしみじみと言った。 「神戸で阪神淡路大震災のチャリティーライブ(95年8月12日)をやったことがあったんだけど。その時には浜田省吾がこの曲を歌ったのさ。それが実にかっこよかったんだよ。で、『この曲を俺も歌いたい』って思うようになって、ずっと機会を狙っていたんだ。もちろん、拓郎にも『俺にカバーさせろ』って言って、歌うことにしたわけさ」 もっとも、歌詞については「俺(泉谷)バージョン」。76歳の泉谷が意欲をみなぎらせている。
ENCOUNT編集部