待望の特別支援学校がついに…峠越え片道1時間超のバス通学から解放される。「暮らす地域で学べる意義」。知事が新設決断した背景
「伊佐市に新しい特支をつくる会」の大谷暁子代表(50)=同市=は「見える場所に学校がある意義は大きい」と強調する。3月まで長男(19)が出水特支に在籍。長距離通学で、地元の人と触れ合う機会が薄れてしまったと振り返る。 「卒業後も地域で生きていくのに、学校が遠いと存在を認識してもらえなくなる」。29年春に開校する特支が、地域との交流の場になることを期待している。 ◇特別支援学校とは 視覚障害や聴覚障害、比較的程度が重い知的障害のほか、肢体不自由、病弱・身体虚弱の児童生徒が対象。特別支援学級が1学級8人を標準とするのに対し、特別支援学校(特支)は小中学部6人、高等部8人、重複障害学級3人。鹿児島県立は現在15校あり、最初の開校は1948年の鹿児島盲学校と鹿児島聾学校。国は2007年の学校教育法改正で盲、聾、養護学校を「特支」に一本化。県内では保護者らによる校名変更への要望を受け、23年4月に盲、聾を除く養護学校を特支とした。このほか鹿児島大学付属特支がある。
南日本新聞 | 鹿児島
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