地球温暖化で「居住不可能な地域」が増加、健康や農業への悪影響が顕在化
「脆弱な人々はより大きなリスクにさらされる」
ホールバルド・サムセットによると、最新の研究では、二酸化炭素(CO2)排出量は横ばいになりつつあるが、地球温暖化は今後少なくとも20~30年は続くという。 「地球温暖化は今や、危険な熱波が頻発するところまで進んでおり、農業や健康に影響が及んでいる」 ホールバルド・サムセットが筆者に語ったところによると、現在、平均気温が29度を超える地域には約6億人が住んでいると考えられている。また、大気汚染が気温の上昇と降雨量の増加に影響し、異常気象につながるという。 「たとえ豊かな国の小さな都市であっても、気候変動への適応にかなりの費用がかかる状況を目の当たりにしている」とホールバルド・サムセットは話す。 「大都市ではほぼ耐え難い気温にさらされることが極端に増えており、何百万人もの人々がエアコンを利用できない」とも語る。 気温の上昇は健康や経済、重要なインフラに大きな影響を及ぼす、と言うのはエンジニアリングと持続可能性のコンサルタント会社Arup(アラップ)の自然再興専門家のディマ・ゾゲイブだ。 「人間は自然を破壊し、道路をコンクリートで覆い、鉄とガラスで高層ビルを建て、都市部で気温が高くなるヒートアイランド現象を生み出してきた」 「こうした行為が周囲に及ぼす影響は不均一で、脆弱な人々はより大きなリスクにさらされる」とゾゲイブは言う。 「都市には、最もリスクの高い人々を保護するために行動を喚起できる、暑さ対策の責任者が必要だ。加えて、CO2排出量の削減を含め、大規模な暑さ対策を講じる必要がある」と指摘している。
Jamie Hailstone