日本医学ジャーナリスト協会賞大賞、読売新聞「『移植見送り問題』を巡る一連の報道」に
特定非営利活動法人日本医学ジャーナリスト協会は7日、医療分野の優れた報道を表彰する2024年度の「日本医学ジャーナリスト協会賞」の大賞に、「『移植見送り問題』を巡る一連の報道」(読売新聞東京本社臓器受け入れ断念取材班)を選んだと発表した。
取材班は今年1月1日、脳死者から提供された臓器の移植実績が豊富な東京大など3大学病院で23年、人員や病床の不足などを理由に、臓器の受け入れを断念する例が60件超あったことを報じた。その後も、政府や学会、国内外の医療現場や移植を待つ患者、家族らへの取材を重ね、逼迫(ひっぱく)する移植医療体制の実態を伝えた。
国は実態把握に乗り出し、移植医療体制の見直しを進めている。
同協会は「報道の社会的インパクトは大きい。医療部、科学部、海外特派員たちの協力で多角的に掘り下げた総合力、裏付けの手法は新聞でしか行いえないものだ」と評価した。
このほか優秀賞に、医師・高岡滋さんの書籍「水俣病と医学の責任――隠されてきたメチル水銀中毒症の真実」や、RSK山陽放送(岡山)と京都新聞社の作品が選ばれた。