戦争を経て過去には反発も…“皇室外交”で取り戻した“特別な関係”両陛下訪英
■“皇室外交”で取り戻した交流
こうしたご発言や、イギリス王室との交流が持つ意味を間近で見てきた人がいます。 恵子ホームズさんは、元捕虜を日本に招くなど、和解の活動を続けてきました。このときの晩餐会にも招かれ、上皇さまと言葉を交わしています。その後の元捕虜の反応は。 恵子ホームズさん:「天皇陛下(今の上皇さま)のことをよく言う人たちが多かったんです。(上皇さまが)心の痛みをおっしゃったんですけど、『謝ったよね』という人たちと『謝罪にはなってないよ』という人たちと両方いました。でも、多くの人たちは、陛下のお姿とかお話の仕方とか、言葉でずいぶん癒やされていったと思う」 日本の敗戦から79年。ロイヤルファミリー同士の交流は、着実に実を結んでいます。 バッキンガム宮殿に到着された両陛下。チャールズ国王主催の昼食会に臨まれました。
■笑みで約1キロ 馬車でパレード
イギリス王室などに詳しい、関東学院大学国際文化学部・君塚直隆教授に聞きます。 (Q.天皇陛下とチャールズ国王の雰囲気をどうみましたか) 君塚直隆教授 「今回、お二人とも国王・天皇になられています。本来、皇太子や王子の場合、相手が国家元首だと頭を下げなければいけませんが、今回は目を見合って握手をされて。バッキンガム宮殿までいらっしゃるパレードでもずっと馬車の中でお話になっていました。1970年に皇太子時代のチャールズ氏が訪日してから54年来のお付き合いですから、半世紀を超えるものがにじみ出ていますよね」 (Q.皇后さまとカミラ王妃はお二人とも白い服でしたね) 君塚直隆教授 「ヨーロッパの王室の場合、男性はモーニングで決まってしまっていますが、女性は自由がきくので、事前に『こういう色で出よう』ということができます。お二人とも似合ってらっしゃいましたね」 (Q.天気も良く、馬車はオープンカーでしたね) 君塚直隆教授 「イギリスは雨の国ですけども、今回は天気が一番良かったです。2019年当時、アメリカのトランプ大統領がバッキンガム宮殿に招かれた時は、セキュリティー面からヘリコプターで直接、バッキンガム宮殿の中庭に乗り込みました。その時、エリザベス女王も『芝生がめちゃくちゃだわ』と嘆かれたという話が残っています。今回そういったことがなく、皆さんに手を振られるのは良かったですよね」