〈写真多数〉直角にカーブ、内部にはナゾの分岐…? 千葉県・房総半島の山中で発見した“あまりにも異様な素掘りトンネル”を探訪してみた
千葉県の房総半島を訪れた時のこと。探索仲間が「ダム湖の畔に変わった神社がある」と教えてくれた。何やら、断崖とダム湖の間に無理やり建てられたような神社だという。気になった私は、早速現地に向かった。 【画像】 房総半島の山中に位置する“あまりに異様な素掘りトンネル”を探索! 現地で撮影したナゾたっぷりな写真をまとめてみる 地図アプリで調べると“八雲神社”として登録されている。目的地に設定し、ナビに従って車を進める。三島ダムに近づき、左折して狭い道に入ると、いきなり小さなトンネルが現れた。 普通車でギリギリのサイズ感で、入り口には“この先行止りにつき通り抜け出来ません”と書かれた看板も設置されている。
車幅ギリギリのトンネルを進む
しかし、目的地はこの先だ。慎重にトンネルに入ってゆく。トンネルの入口はコンクリートで補強されていたが、内部は掘ったままの素掘りの状態だ。 一般の人なら進むのを躊躇するかもしれないが、私は道が好きで趣味として全国のトンネルを訪ねている。わくわくしながら、車幅ギリギリのトンネルを進む。 ここで、あることに気づいた。このトンネルに見覚えがあった。以前に来たことがある場所だったのだ。前回、なぜここに来たのかは、この先に答えがある。 狭いトンネルをゆっくり走っていくと、いきなり道が見えなくなった。トンネルが右に大きくカーブしているのだ。いや、カーブというような生やさしいものではなく、トンネルがほぼ直角に曲がっている。それも狭小な道幅しかなく、ゴツゴツとした素掘りのトンネルだ。 この世にも珍しい直角に曲がるトンネルを10年ほど前に見に来たことがあった。 意図せず再訪する形となったが、懐かしみながら進み、直角にカーブするトンネルを抜けた。目的の神社はこの先にあるというが、前回来た時に神社を見た記憶はない。いったいなぜだろう。
直角に曲がるトンネルの先にはすぐにまたトンネルが…
「本当にこの先に神社なんてあるのかな?」と思いながら走っていると、地図アプリのナビは「まもなく右方向です」と指示を出す。 すると、すぐにまたトンネルが現れる。見た目のサイズ感は先ほどと同じだが、坑口も内部も掘ったままの素掘りの状態で、コンクリートなどで固められていない。 1つ目のトンネルと同じで、100メートル足らずでトンネルを抜ける。その先もずっと一本道で、ナビのいう右方向へ分岐する道が見当たらない。 おかしいなと思ってナビを確認すると、明らかに分岐地点を行き過ぎていた。 「え? 分岐なんてなかったよな?」 疑問を抱きながらもUターンする。今度はナビの画面をこまめにチェックしながら、来た道を戻る。 2つ目のトンネルの手前で、神社への分岐地点が近くなった。いや、この距離感は明らかにトンネルの内部で分岐している。しかし、トンネル内で道が分岐していれば目立つので、見落とすはずがない。 どういうことだろうかと不思議に思いながら、再びトンネルに入る。トンネル内をゆっくり進んでいると、驚くべきことに分岐があった……! なかったはずの分岐路が、確かにあったのだ。 といっても、分岐する道はとても小さく、車では絶対に入れない。人がギリギリ歩けるほどの大きさしかなかった。 また、分岐はトンネルの中央付近にあるのだが、本線に対してやや斜めになっており、来た方向からは発見が非常に難しい。そのため、見落としてしまったのだ。そもそも車で行けると思っていたので、小さな分岐路は意表を突かれた格好だ。 すぐにでも車から降りて神社に行きたかったが、道幅が狭く車を停められるようなスペースがない。 1つ目のトンネルも抜けて広いスペースに車を置き、徒歩でトンネルに入る。分岐地点まで戻ってきたが、改めてその異様さが際立っている。 現代においては、自動車が通行可能な掘ったままの素掘りトンネルというだけでも珍しい。地層がはっきりと見て取れる、惚れ惚れとする素掘りトンネルだ。その内部において、人が歩けるだけの小さなトンネルが分岐している。分岐する小さなトンネルもまた素掘りだ。
【関連記事】
- 【画像】房総半島の山中に位置する“あまりに異様な素掘りトンネル”を探索!現地で撮影したナゾたっぷりな写真で一気に見る
- 【つづきを読む】千葉県にある“世にも奇妙なトンネル”…直角にカーブ、内部にはナゾの分岐があるトンネルがつくられた“意外な経緯”
- ダムの上を通り抜ける「世にも珍しい酷道」…三重―大阪間を結ぶ名阪“じゃない”国道25号を走破してみた
- 路面はボロボロ、ガードレールは存在せず、ハンドル操作を誤れば川に転落してしまう…静岡-岐阜間に存在する“ヤバい国道”を走破してみた
- 「え? 掘られたんですか? あの隧道を?」現地住民への聞き込みで初めてわかった“世にも不思議な隧道”が建設された“納得のいきさつ”