健康診断の後、早めに受診した人ほど入院・死亡が少ない
3カ月以内に受診した人は脳卒中の入院リスクが35%減
条件を満たした高リスク者は41万2059人でした。健診後12カ月間の受診のタイミングに基づいて、これらの人たちを「3カ月未満での受診」(17%)、「4~6カ月後の受診」(7%)、「7~12カ月後の受診」(10%)、「受診なし」(66%)の4群に分けました。 分析結果に影響を及ぼす可能性のある要因(年齢、性別、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣に関する情報や、体重、身長、血圧、血中脂質量、空腹時血糖、尿たんぱくに関するデータ)を考慮したうえで、受診のタイミングと、「脳卒中・冠動脈疾患(心臓に血液を送る冠動脈の病気;心筋梗塞や狭心症)・心不全のいずれかによる入院、または死亡」を経験するリスクとの関係を検討しました。 中央値4.3年の追跡で、1万5860人が上記のいずれかのイベントを経験していました。うち6154人が脳卒中、5445人が冠動脈疾患、1324人が心不全によって入院しており、4093人が死亡していました。 健診後12カ月以内に受診しなかった人と比較すると、3カ月未満で受診していた人がこれらのイベントを経験するリスクは22%低く、4~6カ月後に受診していた人では16%低くなっていました。一方、7~12カ月後に受診していた人では、リスクが6%低下する傾向は見られましたが、統計学的に有意な差ではありませんでした。 健診から3カ月未満で受診していた人では、特に脳卒中による入院のリスク(35%低下)、心不全による入院のリスク(49%低下)が低くなっていました。 健診で心血管疾患に関連する異常値が示された場合、次の健診まで待つのではなく、早期の受診を心掛けたほうがよさそうです。 *1 Dong JY, et al. Atherosclerosis. 2024 Jan:388:117409. (大西淳子=医学ジャーナリスト)