中島健人“保田”の反撃に胸がすく…忘れられない名セリフとは? ドラマ『しょせん他人事ですから 』最終話考察レビュー
誹謗中傷を行った“その先”を見せることの意義
ネットの世界は匿名ではないーー。相変わらずリアルな世界でも、誹謗中傷に、真偽の不確かな噂話、画像や動画を使った暴露と、悲しいことにネガティブな情報が途切れることはない。 本作ではそんな身近な事象を取り上げ、誹謗中傷を行った“その先”をリアルに見せてくれた。法律に関する知識を蓄えられるのと同時に、誹謗中傷をした側・された側を描くことで想像力を与えてくれた。 「所詮はネットの世界のできごとなんです。他人事、他人事」。保田の言葉通り、介入しすぎない、感情を入れすぎない。ネット情報やネット上のコミュニケーションには、ついのめり込んでしまいがちだが、距離感やバランスの取り方を教えてくれる作品でもあった。 「しょせん他人事ですから~」の決めセリフを筆頭に、保田弁護士の姿勢や言葉は、様々な問題に直面したときに思い出したいことであり、これからもお守りのような存在として視聴者の心に残り続けるのではないだろうか。 【著者プロフィール:柚月裕実】 エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。
柚月裕実