「デモに行け」と言われても…日本に住む私たちが出来ること 子育て中の記者が研究者の言葉から得た民主主義のヒント 給食なしvsおかわり自由 どっちが良い?
民主主義の最前線には常に若者がいた
――若者の行動によって政治システムが改善した例はありますか 民主主義のために闘ってきた場所では、常に若者が最前線にいました。2000年代に旧ソ連諸国で起きた「カラー革命」では、若者が非常に重要な役割を果たしました。ウクライナのオレンジ革命(2004年)では、若者や学生が不正選挙に対して抗議し、民主化を求めました。グルジア(現ジョージア)で起きたバラ革命(2003年)やキルギスのチューリップ革命(2005年)でも、学生らが腐敗した政府への抗議活動で中心的な役割を果たし、結果的に政権の崩壊をもたらしました。 南アフリカのザンビアで民主化を求める運動があったときは、若者や女性の団体が反腐敗運動に参加したり、政府の透明化や説明責任を求める声を上げたりしました。彼らはソーシャルメディアを活用して政治参加を呼びかけ、選挙に対する意識を高める活動をしました。その結果、若者たちが支持する候補者が勝利を収めました。 2014年に香港で起きた民主化要求デモ「雨傘運動」は、香港に対して統制を強めた中国本土に対する大規模な市民運動で、大学の若者たちがデモを組織しました。彼らは失敗し、敗北しましたが、先頭に立って抵抗する姿は世界中から注目されました。 民主化運動では、しばしば学生組織や若者による団体、労働組合の青年部門などの市民社会組織が非常に重要であり、彼らは常にバリケードの前に立ち、人権と民主主義を守るために声を挙げたり、街頭デモをしたりしてきました。
声をあげる機会を利用しなければ、文句はいえない
――日本の20代の投票率は他年代に比べて常に低いです。どうすれば若者が政治に関心を寄せると思いますか 若者が民主主義の価値を理解し、政治や市民活動に参加することは、日本の民主主義を守るためにとても大切なことです。政治に関与することで未来の日本をどのようにするか、影響を与えることができる、そうでしょう? もし政治に関心を持たなければ、何が起こっても受け入れなければならないでしょう。 投票する機会はありましたか。 市民活動に参加する機会はありましたか。 デモに参加して、声をあげ、自分の意見を主張する機会はありましたか。 もしあったのに、そのチャンスを利用しないのだとしたら、為政者によって決められることについて文句を言う資格はありません。 ――民主主義のシステムを機能させるために一番重要なのは教育、メディア、現役の政治家・・・どれでしょうか 私はすべてが重要だと思います。民主主義は一つの要素にかかっているわけではなく、どれか一つが他よりも大事だと言うことは難しいです。 若者が良い教育を受けること、特に民主主義について知ることはとても重要です。なぜ民主主義が大事であるかについて、もっと教育されるべきでしょう。 メディアは非常に重要であり、インターネットが発達し、瞬時にデマやニセ情報が飛び交う世界において、真実を伝える役割はいままでになく重要です。 (取材・構成:テレビ朝日デジタルニュース部 今村優莉、石川瑞樹)