エスカルゴや前髪を切る女――シュールな美を再発見する2024年秋冬パリコレ
ドリスが手掛ける最後のウィメンズコレクション
6月末の2025年春夏のメンズコレクションでデザイナーを退任すると発表した、創業者のドリス・ヴァン・ノッテン。2024年秋冬コレクションのテーマは「自分で前髪を切る女性」。ショーの招待状には切り取られた前髪が貼り付けられていた。モデルたちは目元を覆い隠すほどの長い前髪でランウェイに登場。深みのあるリップカラーが意志の強さを感じさせた。 キーワードとなったのは二面性/二元性。タフさと柔らかさを併せ持つアウターや、体を包み込むテーラリングなどが、控えめでありながら大胆なフェミニニティを表現している。シワやドレープ、ふわふわした素材はレイドバックなムードを演出。塗りたての絵の具をモチーフにした刺しゅうなどが輝きを添え、フィナーレには鮮やかな色の洪水が高揚感たっぷりに会場を包んだ。