モータースポーツはこのまま全開!音楽活動は1回リセットして次の挑戦へ! 近藤真彦、還暦直前インタビュー【後編】
■ドライバーとチームの意識もすごく変わってきた ――ドライバーに関しては今年、ホンダ陣営からトヨタ陣営に移籍した選手がいましたが、SFは日産の契約ドライバーはひとりもいません。日産のドライバーは乗れないのですか? 近藤 絶対に乗れないという状況ではなくなっています。2年ぐらい前までは、SFはスーパーGTのGT500クラスに乗せるドライバーを鍛える場所という位置づけになっていました。だからSFに参戦していない日産のドライバーを乗せるのは難しかった。 でもトヨタとホンダの両陣営ともに、今は頑なにうちのドライバーじゃなければダメだという感じではなくなってきています。SFを独自に盛り上げていこうというスタンスになってきていますし、僕のチームではいつでも乗せる準備はあります。 ――近藤さんは会長として活動し始めてまもなく1年ですが、お客さんが増え、メディアでの注目度も上がっています。ここまでうまく行くと思っていましたか? 近藤 お客さんが増えたことで、ドライバーとチームの意識もすごく変わってきました。ファンやスポンサーに支えてもらっているとみんながわかってきてくれて、サーキットでドライバーがファンにサインして肩を組んで一緒に写真を撮っている姿を見たりすると涙が出そうになります。 SFは本当に危なかったんです。参戦するメーカーやチームも何とかしなければならないという思いをずっと抱えていましたが、打開策を見出せていませんでした。だから一か八かで僕を会長にしたのかもしれません(笑)。 SFを支えてくれているのはトヨタ、ホンダ、ヨコハマタイヤ、各チームの方々ですが、みなさんがSFに直接関与していない日産と契約する僕をJRP会長に推してくれました。そして今も支えてくれていますので、そのサポートに報いるためにも何とか皆さんがいい形になるようにしていきたい。 でも鼻息荒くスタートダッシュを決めても、2年目はそんなにうまく行くという自信がなかったので、僕はスタートダッシュを決めたくなかったんです。本当はゆっくりとやって行きたかった。 ――でもスタートダッシュが決まってしまったので、ファンや関係者の期待も高まっていると思います。 近藤 決まっちゃったんですよね(笑)。集客やSNSでの反響もすごい勢いで伸びています。昨年はシーズン全戦を観戦できる年間パスは、ちょっと言えないぐらいしか売れなかったのですが、今年は即日完売です。開幕戦の鈴鹿はお客さんが結構、来てくれると思います。それはうれしいことですが、僕は割と手堅いので、本当は地盤を固めてから行きたいタイプなんです。