蔵王山で紅葉みごろ 噴火警報解除から観光客も回復傾向
蔵王山のお釜を眺める観光客
宮城・山形両県にまたがる蔵王山の中腹で、紅葉が見ごろを迎えている。今年4月に火口周辺警報が発令された影響で、蔵王山周辺の市町では観光客数が落ち込んでいたが、6月に警報が解除された後は徐々に回復傾向にある。
19日、蔵王山には平日にもかかわらず大勢の観光客が訪れていた。観光客は、滝が望める山の中腹で色づいた紅葉を撮影したり、山頂付近でお釜(噴火口)を眺めたりして楽しんでいた。 観光客の回復は、蔵王山の山頂付近を車で通行できる有料道路「蔵王ハイライン」が県の補助を受け、10月1日から11月4日まで無料になった影響もある。宮城県角田市から友人3人とお釜の近くまで訪れた本多章泰さん(70)は、「ハイラインが無料になってから、もう2回も訪れています。これから(ふもとの宮城県蔵王町にある)遠刈田温泉に寄る予定です」と笑顔で話した。
蔵王町農林観光課は「(警報による観光客落ち込みの)影響が全くなくなったとは言い切れないが、電話での問い合わせは例年並みに多い。紅葉シーズンの今月は、渋滞になっている日もあった」と話す。蔵王山頂レストハウスを運営する宮城蔵王観光の営業部、若生孝弘さんも「団体ツアーの観光バスは減っているが、ハイラインが無料になったおかげで車やバイクで訪れる客は前年よりも多い」と回復の印象を語る。 若生さんは「活火山だが、監視も強化され、避難のためのサイレンや避難時の飲料水などの準備もある。1日を自然の中で過ごせるので、多くの人にリフレッシュしに来てもらえたら」とアピールした。山頂付近の「蔵王ハイライン」に通じる道路「蔵王エコーライン」は、冬季閉鎖される11月4日まで利用できる。 (安藤歩美/THE EAST TIMES)