【特集】<なぜ”自民”は大敗したのか>衆院選・宮城5選挙区のうち”自民”獲得は1議席だけ ”政策”よりも”政治とカネ”
『メディアージ』漆田義孝常務理事 「自民党総裁選があって、総理大臣が変わって、それなりの盛り上がりはあるかなと」
ところが、選挙中盤からある違和感を感じるようになったと言う。 『メディアージ』メンバー 「他の党を攻撃したところで何も生まれないし、そんな話聞きたいんじゃない。時間の無駄、話してほしくない」 若い世代が違和感を感じたという今回の選挙。 どのような舌戦が繰り広げられたのかー。 野党は「政治とカネの問題」を、徹底的に批判する戦法をとった。 宮城1区で当選・岡本章子氏(立憲) 「裏金自民党、特権政治を終わらせたい」 宮城2区で当選・鎌田さゆり氏(立憲) 「裏金をポケットに入れる」
宮城4区で当選・安住淳氏(立憲) 「だめでしょ。いいんですか」
なかでも、宮城3区で当選した立憲民主党の新人・柳沢剛氏は、500万円を超える政治資金不記載問題を抱える西村さんを激しく追及した。 宮城3区で初当選・柳沢剛氏(立憲) 「不記載なんて問題じゃない。分かっていたのにそのままにしていた。これ脱税じゃないですか?」 「裏金議員からの柳沢への選手交代」
これに対し、西村氏(自民)はー。 宮城3区で落選・西村明宏氏(自民) 「検察から一度も呼び出されていないという事実。ある意味巻き込まれた人間として…」 政治とカネの問題について謝るのではなく「巻き込まれた」と弁明を繰り返した。 そして、“裏金問題”とは無縁だったはずの宮城4区の伊藤氏(自民)も、その煽りで不利な情勢に立たされ、陣営は野党を非難する方向に進む。 宮城4区・伊藤陣営(自民) 本木忠一県議 「絶望の淵に追いやったのは、旧民主党政権。政治とカネだけで大事な日本の針路を決める大切な選挙を矮小化している。ここにいるマスコミも悪い」
応援に駆け付けた大物議員も… 自民党・麻生太郎最高顧問 「鳩山・菅内閣を覚えている人もいるでしょう。がちゃがちゃされてえらい目にあったじゃないか」 こうして政治とカネの問題だけがクローズアップされ、物価高や少子化問題など重要な課題についての政策議論は、自民・立憲ともに鳴りを潜めた。 『メディアージ』漆田義孝常任理事 「一般の人から何の選挙をしているのか分からないまま、あっという間に終わっちゃった。それをやったのは自民党」 そのうえで自民党の戦い方によっては、真逆の選挙結果もありえたと振り返っている。 『メディアージ』漆田義孝常任理事 「自民党が、自分たちで裏金が争点の選挙にした。能登(の復興)のための補正予算を組み、軌道修正した新しい政策を打ち出したうえで、これが石破総理の新しい自民党です、と示してから選挙をやれば大勝ちしていた可能性もあった」